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店を出た私とイブは街へ向かう馬車を待っていた。

「今日はイブが欲しいものなんでも買ってあげるからね」

「ありがとう。リイサさん」

 ニコットイブは笑ってから「でもリイサさんと一緒にいれるだけで嬉しいから大丈夫だよ」

 な、なんていじらしい。昔の私そっくり!

 私はニコニコと馬車の停留所で座っているイブの横顔を見る。

 明後日からこの笑顔を見られなくなると思うと正直へこむ。

 正直ここ数日は、あと数ヶ月はこのミッドランドシティに滞在をかなり真剣に考えていた。だが後三枚も手紙があることを考えるとさすがに無理だった。

 私はスイッチを切り替え思い直した。 

とにかく今日は何事もないようにしなくては!


「リイサさん」

 イブは茶色の大きな瞳を呼ぶ。で

「なに?」

「リイサさんは、雑誌とか本に記事を書いているんでしょ。どうして今の仕事をしているの」

 大きな瞳で私に尋ねてくる。

「んー……好きだった人の影響かな」

「好きだった人も、リイサさんと同じ職業だったの」

「そう。その人の影響で私は今の仕事をするようになった」

「いいなぁ……」

 イブは座りながら大きく両手と両足を伸ばした。

「どうして?」

「だって私だってそんな人欲しいもん」

「そんな……いいもんじゃないわ……」

 私はふと口から飛び出た言葉に驚いた。すぐに打ち消すように「イブはまだまだ若いんだから焦らなくてもいいと思う」

 私がイブの顔を見るとイブの表情はどこか暗く見えた。



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