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イブは今日のためにお洒落をしているようだった。
青いワンピースに白のショルダーポーチ。髪の毛は緩く一つにまとめてあり、なんとなく私の髪型に似ている。
ぎゅっと私に抱き着いてくる。
「リイサさんも今日はスカートなんだね」
「スカートは仕事柄動きにくくてね。でも今日は特別な日だからスカートにしたの」
はしゃいでいるイブの後ろにどこか不安そうな顔をしているイブの母親が立っていた。私はイブの母親から聞いたことを思い出した。
「イブは先天的に肺が弱いんです。私からイブを遊びに連れてって欲しいとリイサさんに頼んだのに、申し訳ないですが数時間に一回はどこかで休憩をとってもらえないでしょうか」
「今日はイブのことよろしくお願いします」
イブの母親は深く私にお辞儀をした。
「それとイブに何かあったらこちらへ行ってください」
私はイブの母親から一枚のメモ用紙をもらった。そこにはミッドランドシティ中央病院の住所と地図が書いてあった。
「この病院がイブのかかりつけのお医者さんがいるんです」
「もう。大丈夫だよ。お母さん。最近発作もないでしょ」
イブは少し怒り気味に言う。
私はイブをなだめるように頭を撫でながら「分かりました。何かありましたらこちらの病院に向かいます」
「よろしくお願いします」
イブの母親は再び深くお辞儀をした。