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翌日の講義が終わった後、アンドレアーノに二日後ミッドランドシティをたつことを伝えた。
アンドレアーノは少し残念そうな顔をしたが、「残念ですが仕方ないですね。でもイヴがそのことを聞いたら泣いちゃうかもしれない」
イブとは私とアンドレアーノが夕飯を食べに行っている店の店主の娘でウエイトレスをしている女の子だ。
一週間ほど通ったくらいから私とイブは急速に仲良くなった。最近では店にお客がいないときは色々なことをおしゃべりしている仲だ。
茶色の髪に白く透き通った肌。私にとっては新しい妹のような存在だ。
「……そうかもしれないですね」
イブは私を実の姉のように慕ってくれているように感じた。イブに別れを告げるのは、気が重い……。
「とにかく。今日と明日は思いっ切り食べましょう」
「アンドレアーノさんはいつも食べ過ぎてると思います。会ったときに比べて少しふっくらしてきてますよ」
私は微笑む。
「……リイサさんにもばれてしまいましたか。実は最近ズボンがきつくなっているような気がするんですよ」
アンドレアーノもハハハと笑う。
「じゃあ今日は昨日の半分の量にしないといけませんね」
「さすがにそれは……」
「半分です」
私が強く言うとアンドレアーノはがっくりと肩を落とし「……分かりました。じゃあ館内の見回りと戸締りをしてくるので、外で待っていてください」
アンドレア―ノは席を立ち見回りに向かった。