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車を降りると、「お待ちしておりました」と二人の執事とメイドは一緒に頭を下げた。
「う、うん……ありがと……」
「リイサ様」
オットーがいつの間にか運転席から離れ、四人の近くに立っていた。
「四人の執事とメイドをご紹介します。こちらが執事で妖精族のエーベル=リオン」
執事見習いのエーベル=リオンと呼ばれた、おそらく私とあまり年齢的には変わらないだろう執事が一歩前に出て、頭を下げ「宜しくお願い致します」と答える。
真面目そうな感じだな
私は会釈で答えた。
さらにオットーが執事の紹介を続ける。
「そして隣がルーカス=ブリントン。魔族です」
二十台半ばくらい? どこか軽薄な感じがするけど……。
ルーカスと紹介された青年は軽い足取りでルーカスも前に出て「よろしく! リイサちゃん」
うわー……やっぱ軽いんだぁ……。
「ちゃんじゃない。様だ」
後ろからオットーに殴られ頭を抱えるルーカス。
「リィサ様大変失礼しました」
オットーも深々と頭を下げる。
「いや……うん。気にしてないわ。続けて」
「ルーカスの隣がラーラ=トマソン――」
小っちゃいなー。可愛い。あんな子も働いてるんだ。私が微笑ましく見ていると、オットーが驚愕の事実を明かす。
「妖精族でメイド長です」
「メイド長なの!?」
マジか……。
身長はもちろんのこと外見もきっと私より若く見えるだろう。人間の年齢でいえば、十代の前半からもしくは、十歳にもいっていないのでは?
エルフだからか。それとも何が秘訣があるのか――後で聞かないと!
「ルーカスから紹介されたラーラ=トマソンと申します。宜しくお願い致します」
「こちらこそお願いします」
「最後がメイド見習いのロミルダ=ペルファル。魔族です」
どこか浅黒い肌に頭には短い角が二本生えている。真面目そうだがどこか自信がなさそうに見える。
私と同じくらいかも。
「……宜しくお願いします……」
ラーラと紹介された見習いメイドは頭を下げた。
「よろしく……」
なんかみんな癖がありそうだな……。
「ではここからは私たちメイドが屋敷内をご案内致しますわ」
メイド見習いのロミルダがドアを開けてくれた。