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レンタルベイビー・クライシス  作者: 凪
第3章 ペアレンティング・クライシス 
24/59

③まだまだ、でした。

「――と思ったんだけどね。朝ご飯食べてる時に、静かだなあ~と思って見たら、ガラガラを口に突っ込んで取れなくなって、窒息しそうになってたの。顔を真っ赤にしてバタバタしてるから、ビックリしたよお。必死で取り出したら、大泣きするし」

 ランチタイムに香奈と一緒にパスタを食べに来ていた。美羽は話しながら、アイスティーを一口飲んだ。

「窒息って……ロボットでしょ? スイッチが切れるとか?」

「うん、作動しなくなるんだって。そうしたら業者の人が来て、レンタルを継続するかどうかを判断するんだって。問題ないってなったら、また起動してもらえるの」

「へえ~、そんなシステムになってるんだ。細か~い」

「掲示板では、3回スイッチが切れた人が強制的にレンタルを打ち切られて、認可証をもらえなかったって嘆いてた。なんか、3年ぐらい待たないともう一度レンタルできないんだって」

「本物の赤ちゃんだったら、3回死んでたってことだから?」

「そう。その人は、みんなから責められてた。『なんで3回もスイッチが切れるような状況になるのか不思議。そういう人は親にならないほうがいい』って攻撃されて。その人は『まだ18歳だから、何をどうすればいいのか分かんない』って言ってたけど、それなら分かるようになるまで待てばいいって話だしね。そういう意味では、レンタルベイビーをやるのっていいのかもしんない」

「18でレンタルベイビーをやろうって思うなんて、それだけで偉いなって思うけど……」

「でも、遊び半分でやる人も結構いるみたいだよ。事前の講習会の段階で、そういう人を判別して、登録させないようにしようって話も出てるみたい」

「……なんか、やっちゃいけないことがどんどん増えていってる感じ」

 香奈は複雑な表情になった。

「そうだけどね。でも、ある程度の制限は必要かも」

 美羽はミートソースパスタをフォークに巻きつけて、口に運べずにいた。香奈はキノコのクリームパスタを頬張りながら、美羽の様子に気付いた。

「もしかして、食欲ないの?」

「うん。今回はそれほど疲れないだろうって思ってたんだけど。朝もそれほど食べれなかったんだよね」

「大丈夫? 倒れないようにね。今月は研修もあるんだし」

「そうなんだよね。新しいパーマを覚えなくちゃいけないんだよねえ。研修のこと、すっかり忘れてた」

「店長に相談したら?」

「うん、相談したら、新人の指導はしなくていいから、研修はなるべく受けてほしいって言われた」

「そっか。来月からメニューに加えたいって言ってるしね」

 香奈が「デザートだったら食べられるんじゃない?」と薦めたので、自家製プリンを頼むことにした。

 香奈に自分の分のパスタを「食べる?」と差し出すと、「もったいない」と半分ぐらい食べてくれた。香奈は細身だが、意外と食べるのだ。

「そうだ、今日から離乳食に挑戦しようと思って」

「へえ、そういうのもできるんだ」

「ちゃんとセットの中に離乳食も入ってるんだよ。最初は一口与えればいいだけだから、簡単なんだけどね」

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