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三つ目のスキル

誤字脱字があったら報告してもらえるととても嬉しいです!

 俺は今、【盗賊の極意】のエネルギー吸収の指定を俺の友達以外にした。そうしないと恵ちゃんのも吸収してしまう。


「恵ちゃん、強いんだね。恥ずかしいよ、こんなやられた姿を見られちゃって」


「よかった!本当によかった!」


 彼女から思いっきりぎゅうっとハグされる。


 体がバキバキと折られないか心配だったが、気持ちのいい体の感触は味わえた。


 その後俺の右手と左手の指が彼女の綺麗な指に絡められた。


『スキル取得条件をクリアしました。仕方なくスキルを取得しました』


 仕方ないってなんだよ、今日の説明書さんは機嫌が悪いなぁ!


『取得したスキルは【盗賊の刃】です』


 盗賊の刃?どんな特性があるスキルなんだろう?


「腕が真っ赤!あの女にやられたんだね。僕が治すよ!」


 説明を聞こうと思ったら、恵ちゃんの両手が俺の腕の上にかざされた。


「治療の祝福!」


 俺の両腕の腫れがどんどん引いてきた。


 これは、魔法少女の魔法なのだろうか?それともスキル?


「ヒビと腫れを治した。はぁっ、これで自由に動かせるよ」


「恵ちゃん大丈夫?疲れてるの?」


 恵ちゃんは肩で呼吸をしていた。今の回復は相当体力を使うのだろう。


「大丈夫だよ!」


「そんなやつ助けるなんて無駄だよぉ?雷槍!」


 敵の魔法少女が作った雷の槍が、俺達の間を割くように投げられた。俺は恵ちゃんを押してその反動で俺も下がる。


「っぶね!」


「危ない?何がぁ?」


「っ!あがぁあああ!」


「うぁああああ!」


 雷の槍は地面に刺さった後、電気のフィールドが全体に広がり、俺達を感電していった。


「先に死んでもらうよぉ!裏切り者!雷滅拳!」


「はぁはぁ、僕は死ねないよ。渚君のそばにいなきゃダメなんだ。超反撃!」


 恵ちゃんが雷の拳に自分の拳を合わせた。


 電気が恵ちゃんを襲い、拳は皮がめくれていく。


「はぁああああ!」


「僕の勝ちだ。発動」


 発動、と唱えると電気が全て敵に跳ね返り、魔法少女の右腕が拳ごとグチャグチャになる。


「ぁあああああ!なんだよごれぇええええ!」


 あの怪力糞魔法少女は吹っ飛ばされ、腕をグチャグチャにされてもがき苦しんでいる。


「はぁはぁ、うっ」


「恵ちゃん!」


 恵ちゃんが倒れた!?さっきの攻撃でダメージが入っていたのか!?


 体を支えて恵ちゃんに聞いてみる。


「恵ちゃん!生きてるよね!?どうしたの?大丈夫なの!?」


「あはは、ちょっとスキルを使い過ぎて。疲労しただけだよ。でも、僕ちゃんと勝ったよ?」


「うん!すごい!すごいよ恵ちゃん!」


『渚さん。スキルの説明はどうしましょう?』


 簡潔にまとめろ!


『分かりました。今回得た【盗賊の刃】は、全てを()()で切る能力を刃に付与できる能力です。五メートルほどの距離なら遠距離で切ることが可能です。この能力は使用の度に十秒のクールタイムを要します』


 長い!長いよ説明書さん!でも強そう!これは戦闘向けだ!


『すみません、さらにこれで切られたら物体は切り口を合わせることで元に戻ります』


「・・・・・・え?」


 それって意味あるの?ようするに、切った所が離れるだけで元に戻せるってことかよ。


 距離は五メートルと微妙な所まで届くけど、クールタイムがあったら一回切って終わりだ。それに他の人が巻き込まれる可能性もある。


「なぁああああ!私の腕がグチャグチャだよぉおおおお!?どうしてくれるですぅ!!!」


 あの魔法少女、立ち上がった。まだ意識はあったのか!


 おい!説明書さん!どうにかしてスキルのクールタイムをなくしたい!あと、五メートルなんて微妙な距離はいらない!どうせなら刃に触れたものだけにして欲しい!


『わかりました。オススメはスキルの“縛り”です。距離を短くするという縛りを加える代わりに、スキルのクールタイムをゼロにすることが可能です』


 じゃあそれで頼む!あいつは多分立つ、恵ちゃんを守らなきゃ!


『ただし、次のスキル取得まで縛りを解除することができません。それでもいいですか?』


 構わない!早く!


『スキル縛り、完了しました。でも渚さん、刃物はお持ちでないですよね?』


 ・・・・・・あ。


「もう殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す。お前殺すよ恵ぃー。正義の雷鳴響かせてやるよぉ!雷鳴弾!」


 敵はステッキから雷の球を作り出し、こちらに放つ。


 やばい、速い避けることができない。恵ちゃんを運びつつ避けるのはまず間違いなくできない。なら、どうする!?


 俺なら、こうする。


「盗人の極致」


 この雷鳴弾とやらが俺の目の前ギリギリと、相手が持っているステッキを交換する。


「死ねぇえええきゃあああ!」


 雷鳴弾は敵に当たり、電気が流れた。


「あんた、ただの一般人でしょう!?」


「俺がただの一般人といつから錯覚しているんだ?」


 俺は今まで使わなかっただけ。使い所を探していたんだ。


「このぉ、本当に殺す」


「殺す詐欺はいつまで続くんだ?」


「うるさぁああああああい!もう恵の攻撃も全部受けきってやる!その上でお前らを殴り倒す!雷滅拳!」


 やばい、さすがの恵ちゃんもさっきのはもう、それに彼女をこれ以上傷つけるわけにはいかない!


「恵ちゃん、下がってくれ」


「大丈夫だよ、僕が」


 そう言って恵ちゃんも立ち上がるが、俺の抵抗ですら抗えない。


「恵ちゃん、弱くてごめん」


「大丈夫です」


「もう死んだよぉあんたらぁ!」


「死なないんだなぁこれが。無敵の境界」


 敵の魔法少女の攻撃が俺の顔ギリギリで止まった。


 何でそんなにかっこいいんだよ。


「助かった鏡花!」


「悪い、遅れたわ!」


 ピンチに駆けつけてくれた親友の額には走ったように汗が垂れていた。その姿は爽やかないつもの彼より、さらに爽やかに感じた。


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