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傷痕LOVEの暗殺者は幼女に惚れたらしい。  作者: 八坂ネコヤナギ
序章 幼女との出会い
7/9

7殺目 かなり遅れて逝くぞ

(・・・ん?)


 クロは一つ異変に気付く。


全感覚(フルセンス)


 クロは感覚を研ぎ澄ませ、音の反響を感じ取る。


「一人()り損ねてるじゃん!?」


 ベルが殺り損ねた魔法使いは伝達魔法で他国と通信していた。


(早急に片付けないとやべぇな)


 クロは跳躍し、魔法使いの首をはねる。


(よし、今日も良い傷痕だ!)


その傷痕は正中線から左側の首を切り、すぐに血が飛び散り、出欠多量で死ぬように切られていた。


 クロはそのまま壁を駆け上がり、最上階まで上りきる。


「よくここまできたな、ネクロフューズ・ベネオーズ」


 そこには一人の男がいた。


「お前か?ヤミネ・シロを俺のところに送り込んできたのは」


 クロは腰の短剣に手を添える。


「いかにも。だがそれがどうした?」


「ならお前を殺す」


「ふむ、どうした?ヤミネ・シロに唆されでもしたか?我らの私注から出ようと敵国に情報をうるとは何と愚かな」


「・・・」


「どうだ取引をしないか?其方らがヤミネ・シロを返してくれるならそれ相応の報酬を出そうではないか。例えば・・・エゴ・タル」


「・・・っ!?」


刹那・・・クロが男に斬りかかる。しかし、壁のようなものに弾かれてしまった。


「フフフフフフ!!ハッハッハハハハハハ!!貴様の刃は我には届かぬわ!国王級魔術の魔力障壁を常に張れるこの私を「全感覚(フルセンス)」殺せるものなら殺してみろこの糞ガk・・・」


 刹那・・・肉片が飛び散る

 ボトボトと醜い音を立てながら床に肉片が落ちていく。


「魔力障壁なんて、力さえあれば破れる」


 クロはドス黒い声で吐き捨てた。


「クロ!」


 キルがドアから勢いよく飛び出してきた。


「どうした?」


「他国の魔法団が攻めてきてる!これ以上の長居は不要だ!早急に逃げるぞ!」


「待て!地下に拷問室がある!彼奴らがいるかもしれない!彼奴らを助けてからだ!」


「そんなこと言っている場合ではないだろう!」


「そんなこと・・・だと!」


 クロの目の色が変わる。


「もう一回・・・言ってみろ」


 クロは短剣に手を添えた。


「掟を忘れたのか!?」


「それこそ”そんなこと"だろ!何が「真の有能は仲間を捨てれるものだ」だ!そんなもの、任務を遂行しやすくする為の偽善でしかない!その掟が正しいなら俺は無能でも構わない!」


 キルはクロに精神安定剤を飲ませようと駆け出す。







 ・・・しかし


 キルはクロに蹴り飛ばされてしまった。


「・・・すまない」


 クロは一言だけそう言い残し、地下室へ向かう。速く早く夙く疾く・・・


 ……………

 …………………………


 ドロン城拷問室、そこには無数の生臭い死体と死にかけ奴隷達がいた。


(クソッ!彼奴らはどこだ?!)


 クロは必死に()()()を探す。



 ・・・そして、ある一室に七人の人間が倒れていた。


「お前ら!!」


 クロは瞬時に駆け寄る。クロの眼から涙が零れた。


「ク・・・ロ・・?」


 一人が声を発する。


「タル!」


 タルと呼ばれた男は傷だらけで、今にも死にそうであった。


「すぐに応急処置を!」


「無駄・・・だよ。凄く強力な呪いが・・・かけられてる。今更無理だ」


「なっ!・・・分かった。最後に言いたい事はあるか?」


「みんな・・・掟を破ったよ。拷問されても何も話さなかった。仲間をっ・・守ったんだ」


「そうか」


 クロの目から大量の雫が落ちる。


「そろそろ時間だ。・・・先に逝って待ってるよ」


「ああ、かなり遅れていくからな」


「ははっ、その方がいいかな」


 そう言うとタルは、そっと目を閉じた。


「・・・じゃあな」


 ・・・クロは涙を拭った。


 立ち上がりヤミネ・シロの最後の家族、弟を探す。


 すると、黒髪の死体があった。


(ひどいな。薬漬けにされてやがる。国がこんなことして民衆は何も言わねぇのかよ)


 黒髪の死体から喉仏の骨を抜き取った。


 後少しで魔法団がきそうだな。キルを回収して撤収するか。


 ……………

 …………………………


  帝国鎮圧作戦報告書

 ネクロフューズ・ベネオーズ率いる暗殺部隊により帝国は陥落。しかし、隣国ダラゴン国魔法団の援軍により民衆に占領宣言を告げることはできず、王のいない帝国はもぬけの殻となっている。捕虜ヤミネ・シロの弟の喉仏の骨を回収後、捕虜ヤミネ・シロへ渡した。また捕虜ヤミネ・シロは、暗殺部隊の一員として迎えられた。同時に我達が国民となった。帝国に捕らえられていた暗殺部隊の七人、

 エゴ・タル

 ネオル・ハルコン

 タクアライン・ネロウ

 アル・アルシュヘル

 エゼル・ダグア・デネオグ

 サクミ・アジャスト

 ミルアナ・デアザーク

 は、ネクロフューズ・ベネオーズの報告により死亡が確認された。

 今後、ダラゴン国がどう動くか懸念される。

 そしてこの混乱に乗じて王国反乱軍が動く可能性もあるので警戒が必要である。


  以上。


 ネクロフューズ・ベネオーズ 殺人数 不明

 ツベルト・ファナタリス 殺人数 269人

 KILL MAN 殺人数 1221人


これにて序章完結です。次話から一章です。誤字脱字や意味不明な日本語等ございましたら、ご報告よろしくお願いします。

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