6殺目 作戦実行
深い闇の中、聳え立つ城。その正面には三つの人の影があった。
一人は、黒装束姿で腰には短剣が4本ある。
一人は、古い布を纏い仮面を付けている。
一人は、白髪を揺らし狙撃銃を携えている。
「さぁ、いくぜ!」
黒装束姿の男は言い放った。
―30分前
散々言ったけど作戦が特にないなぁ。
そんなことを考えていたら、後ろから声をかけられた。
「オイ!クロ!」
そこには、ベルがいた。
「どうすんだ、何か策でもあンのか」
ベルはことの事情は理解しているらしく、険しい顔で近づいてきた。
「なんも出でこないよ」
「でもやらなければいけないのだろう?」
キルが巨大な鎌を持ってやってきた。
「ああ・・・大丈夫だ。今、思いついた」
「じャあいくぞ!」
―そして今に至る。
「作戦通りにいくぞ!」
「分かった」
「臨機応変にな!」
「どッちだよ!!」
………………
………………………………
僕はまず、兵士の無力化だ。
クロはこう言っていた。
「俺たち、暗殺部隊にとって正面戦闘は不利だ。だから、王だけを捕獲して全兵士を殲滅する。それに当たって、キルには兵士の無力化をして欲しい。方法は問わない」
・・・と。
「ならば!」
キルは思い切り息を吸い込み、魔法と共に放出した。
「付呪・高圧超音波」
次々と兵士達が倒れていく。
「よし」
……………
…………………………
オレは、残り兵士の狙撃か・・・
クロはこう言っていた。
「向こうも馬鹿ではないからな魔法隊ぐらいはいるはずだ。だから、魔法隊は魔法耐性があるおかげで、生き残っているはずだ。そして、魔力の放出場所も特定できるはず。そこをお前が狙撃しろ。キルが兵士を無力化して八秒間だ。いけるか?」
あッたりめェよ!ッて応えたが、この建物入り組んでて狙いにくいんだよなァ・・・まぁオレにとッては朝飯前だがな!
ベルは、城から2kmは離れている森の中から狙撃銃のスコープを覗いている。
すると魔法隊がぞろぞろと出てきた。
(よし上手くいッた様だな)
クロからは14人いると聞いてるから一人当たり0.5秒程度か・・・余裕だな。
ベルは狙いを定め、まず一人狙撃する。続け様に二人目、三人目と合計八人を葬った。
この間わずか四秒程である。
「後は向かい側にいるやつらか」
ベルは3発、弾を撃った。
弾は城の窓をすり抜け、三人の魔法使いの後頭部に当たる。
(残り三秒・・・)
残りの二人の魔法使いは異変に気付き、外へ出てきた。
(いまだ・・・!)
ベルは狙いを定め打ち抜く。
弾は頭に命中した。
(よし!後は任せたぜ!隊長!)
……………
…………………………
(銃声が止んだな。よし行くか)
クロは一歩一歩踏みしめながら城に消えていった。
ネクロフューズ・ベネオーズ 殺人数 不明
ツベルト・ファナタリス 殺人数 269人
KILLMAN 殺人数 1221人