1殺目 黒髪の傷痕オタク
初投稿です。至らない点も御座いますが生暖かい目で見守って下さい。
俺が目標のもとへ着いた時にはもう、殺られていた。
キレイな傷痕だった。
この鮮やかに切られた首筋。
鼓動がたかなる。
息が荒くなる。
身体が火照る。
ゾクゾクする。
俺はこの傷をつけた人間に憧れた。
………
……………
「っていうことがあったんだよ!」
その黒髪の男はその話を終えた。
「ふーん」
素っ気なくこたえる白髪の男が一人。
そいつは「ツベルト・ファナタリス」この国の暗殺部隊副隊長である。(周りからは「ベル」と呼ばれている)
「ふーんてお前から話振ってきたんだろ」
「いや、途中から傷痕の話しかしてなかッたろ」
「この話を傷痕無しで語れるか!」
黒髪の男は机を強く叩いた
「お前はホント傷痕オタクだよなァ」
「いやーそれほどでも」
「イヤ、褒めてねェよ!」
この黒髪の男、傷痕オタクの暗殺部隊隊長は「ネクロフューズ・ベネオーズ」だ。(周りからは「クロ」と呼ばれている)
暗殺部隊というのはその名の通り、国から依頼を受けて、その人物を暗殺する部隊なのである。
そしてここは「ベネティウス王国」の「ベネティウス城」その食堂である。今は昼休みなのだ。
「それにしても、団長が憧れるほどの傷痕を付けるやつなんてどんな奴なんだ?」
「うーん俺もかなり気になってる。あの傷痕は「影切り」っていう「忍者」の技なんだ」
「「忍者」ッてたしか一番東にある小ちャい島国か?ここは最西端の国だぜ」
「ああ、だから是非あってみたいんだよな忍者」
クロは目を輝かせながら言った。
「はァあ、お前ッてそんなんにしか興味かいから女ができねェんだよ」
そう言われクロは決まりが悪そうにした。
「毎日女と遊んでるお前には言われたくない!」
「まァ、お前は傷痕にしか興味無いもんなァ」
ベルは小馬鹿にしながら言った。
「そ、そんなことないさ!」
「ほう、じゃあ好きな女のタイプでも言ッてみろよ」
「えっ」
クロから腑抜けた声が漏れる
「ほらな」
ベルはニヤリと笑う。
「いや!言えるから!」
「言ってみろよ」
ベルはまた小馬鹿にしながら言った。
「・・・く」
「く?」
「黒髪?」
クロは気まずそうに答える。
「く、黒髪ってお前・・・」
ベルは顔をひきつらせる。
「はァ、忍者じャねェか」
これからの話は傷痕オタクの暗殺者が、幼女と出会うのよりほんの少し前の話である。
ネクロフューズ・ベネオーズ 殺人数 不明
ツベルト・ファナタリス 殺人数 256人
ここまでみてくださった方々、本当にありがとうございました。これからも時々投稿していきたいと思いますので宜しくお願いします。
また、誤字脱字、変な日本語がございましたら報告して頂きたいです。なるべく添削していきたいと思います。