-天馬の求めし少年の星辰-
如何も今日は。今回もタイトルの通り、超有名幻獣、フェンタジー界でもちやほやされる子。
今回の幻獣さんは然う、天馬、ペガソスです。要は翼を持った皓い馬ですね。(ザックリ)
気性が荒く、乗る人を選ぶとされます。神様の運び手としても良く出ますね。最近良くユニコーンと混合されて空しいです。生まれは全く違うのに何故同じにしてしまうんだ・・・。月と鼈だろうが。
まぁ説明不要ですよね、と言う訳で無駄足は此処迄、彼の背に乗ってあの旻へと参りましょう。
昔、少年と皓き天馬が霄を駆けていました
天馬の背の少年、しっかりと天馬にしがみ付いています
そして眼下に広がる景色に心奪われて
天馬は駆けています
一人と一頭は、少し前に飛び立った圜丘で出逢いました
そして毎霄、毎霄話す内に友達になったのでした
其からは天馬は少年を乗せて飛び廻っていたのです
其の姿は実に雄大でした
もう一つの霄である湖
自分を照らす皓月の影
漣を立てる雲華の溟海
天を目指す芽である秀峰
霄を翻す窓掛の極光
黔い境界線である渓谷
そして霄を彩る綺羅星の迅雨
少年は零星を見て言いました
人は死んだら零星になるのだと
だから自分の両親も、屹度此の中の何かなのだと
自分も死んだらあの蒼い零星になりたい
少年は両手を伸ばしました
天馬も零星に向け、駆け出しました
其の時、誤って少年を背から落としてしまいました
天馬が地へ戻った時には、少年の住む街の近くで、絳くなった少年の冷たい躯がある丈でした
唯一の救いは、少年の顔は随分蒼かった事位
翌日、街は騒然となりました
少年の変死体
気味悪がった街人は一人身である少年を街から離れた圜丘へ埋めました
御陰で天馬は毎日、少年の奥つ城へ行く事が出来ました
毎日、毎日行きました
暫く経って天馬は飛び立ちました
蒼い零星が見えたのです
翼が霄を斬りました
渓谷、湖、秀峰、雲華、極光、綺羅星、皓月が見えました
全て少年と見た物でした
零星は近付いて来ます
天馬は知らなかったのです
例え天駆ける術を有しても、地に棲む者は、地を離れてはいけない
そんな事をしてしまえば、神罰が下る事を
突然天馬の翼に焔が灯りました
そして瞬く間に天馬を包みました
でも天馬は駆けます
後少し、後少しで・・・
天馬は燃え尽きました
黔くなってしまった羽根が地へ戻り、内一枚が少年の奥つ城に止まりました
でも一陣の凱風によって、飛んで行ってしまいました
其から少年の奥つ城を訪れる者はいません
-Fin-
誰も知らないのに如何して物語は存在するのか。物語も又幻獣の仲間だからなのでは、と筆者は思っています。
はい、御疲れ様です。え、えーな落ちだったでしょうか。其で良い、其で良いんですよ。此が基本スタイルです。
今回は純正の皓の馬を出しましたけれど、筆者個人としては黔い馬の方が好きです。チェスやオセロとかでも必ず黔ですね。皓を汚す快感、灰色も好きですけれど、やっぱ黔ですね。
さて、次は又有名な鳥さんです。鳥自体が大好きなのでワクワクしています。グへへ・・・。
では良い物語を。