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心休まる場所 -02


王都の下町は、大小様々な店が軒を連ねている。地方からやってくる観光客向けの食事処からお土産もの、城下に住む人々が利用する市場まで、ありとあらゆるものが揃うこの場所は、バレッタが幼い頃から通い続けた馴染みの場所だった。


いつもよりも質素な服を身につけて、歩きやすい柔らかい靴で石畳の上を歩くと、不思議と肩の力が抜けていく。


華やかなパーティー会場でも、静かな公爵邸でもない、ここだけが変わらずバレッタをとして迎えてくれる気がした。


「リナ!!」


「あら?バレッタ!!久しぶり!」


店の前で花を整えていたリナが顔を上げてぱっと表情を明るくする。そのまま勢いをつけて抱きつくと、きゃらきゃらと明るい笑い声が響く。


「どうしたの!公爵様のところに嫁いじゃって暫くは会えないかと思ってた。」


「実はちょっと抜け出してきたの。」


「あら、それは新婚なのにいいのかしらー?」


「いいの!今からルートの店に行こうと思うんだけど、リナはどう?」


「行く!ちょうど旦那さんが帰ってきたんだ。入れ替わりで数時間店番やってもらうよ。」


ね、と店の中に声をかけたリナに対し、話を聞いていたリナの旦那のヤコブがヒラヒラと手を振る。


「やった!ちょっとリナを借りるわね。」


「ありがとうヤコブ。じゃあ数時間出てくる。」


「ごゆっくり。久しぶりに会えて積もる話もあるだろ?」


ヤコブはパチリとウインクをして再び手を振る。リナはエプロンを外して1度室内に置きに行き、そのままバレッタの手を取ってグイグイと引っ張る。


「行きましょ!」


「うん!」


2人は幼い頃と同じように賑やかな笑い声をあげながら目的地まで駆けていった。



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