59話 進む者たち
その夜、エリシオンの宿の一室には、重苦しい沈黙が流れていた。
レンが口にした「ガイスト大陸行き」と「予言の石」の話を聞き、ルーシィが激しく首を振る。
「……正気なの、レン!? 中級の私たちがガイスト大陸なんて、死にに行くようなものよ!」
「ああ、俺も反対だ。伝説なんて、本当にあるかも分からねえんだぞ!」
二人の正論に、レンは静かに、しかし退けない決意を込めて返した。
「分かっている。……だが、3年だ。3年探して、欠片も見つからなかった。これしかないんだ。俺は、どうしてもあいつらに会わなきゃいけないんだよ」
レンの瞳に宿る、悲痛なまでの執念。それを見た二人は、やがて折れるように溜息をついた。
「……分かったわよ。ただし、無茶な戦闘は絶対にしないこと。いいわね?」
「助かる。ありがとう、二人とも……」
その後、三人は決意を胸にルミナ大陸を後にした。
彼らは未知の地、ガイスト大陸へとその足跡を刻んでいく。すべては、伝説の「予言の石」を手にし、再会の未来を掴み取るために。
――それから、二年の月日が流れた。
かつてレンがその名を呼び続けた親友。
ショウ、そしてジラード、アリナ、エマ。
新たな絆を結んだ彼らもまた、運命の糸に引き寄せられるように、遅れてガイスト大陸への冒険が始まるのであった....
第1章:異世界転生編 ――完――




