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氷の魔法使いと炎の姫  作者: 白石カン


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8/11

任務開始

「とうとうか・・・。」

今リコレットはパレードを終えダンジョンの入口に立っている。

「いやーあんな盛り上がったパレードは初めて見ました!

相変わらず凄まじい人気っぷりですな!」

斧を背に担いだ大男がリコレットに声をかける。体と同じく声量も大きい。

「全くだ、やはりリコレット様こそ王座にふさわしい。民衆もそれを望んでいる。」

今度は若い騎士らしき男が口を開く。

「よせベッツ、滅多な事は言うものではない。私にまだ王位継承権はないのだから。」

「はっ、申し訳ございません。」

リコレットにたしなめられた、ベッツと呼ばれた騎士は仰々しく頭を下げる。

「じゃあ姫サクッと取りに行きますか!王位継承権!」

「レブランいつも言ってるが気安く姫等と・・・、あと声量を下げろ。」

「よいベッツ、では行くぞ。いざダンジョンへ・・・!」



(さて俺等も行くか。)

(おー。)

リコレット達がダンジョンに入ったのを確認してジグ達も続く。


ジグとミルムは念話を使い会話していて、姿はインビジブルと呼ばれる身体の透明化魔法をかけている。


ジグもミルムも気配を絶つ事には慣れているのでこれでよほどの事がない限りバレる事はない。

ちなみに儀式の期間中はリコレットとその護衛以外はダンジョンに立ち入り禁止であるが、堂々とジグ達は見張りの前を横切って潜入できた。


あっさりと潜入出来たことにミルムは少し拍子抜けする。

と同時に改めてジグの能力に驚嘆してしまう。


念話もインビジブルもかなりの高位魔法だ。

特にインビジブルにおいては本人だけならまだしも他人も透明化できるというのは聞いた事がなかった。


とその時だった。


「よし!行くぞ皆!我に続けっ!」

リコレットが声をあげて一気に走り出したのだ。

「リコレット様っ!?」


(はっ?)

さすがのジグもこれには一瞬呆気に取られる。

どうやら護衛達も寝耳に水だったらしい。


(ジグ、王女さん行っちゃう。)

(分ーってる!冷静なのはミルムだけか!追うぞっ!)

ジグと護衛達は慌てて後を追う。


とリコレットの前方にゴブリンが数体現れた。

「早くも来たかっ!」

リコレットが叫び剣を抜く。

ゴブリンは下級モンスターではあるものの全く躊躇わずにリコレットは自ら先陣を切る。

(まじ!?)

万が一リコレットに何かあればそれで任務失敗だ。

しかしそんなジグの心配は杞憂に終わった。


「はぁっ!」

リコレットは剣を抜き一閃する。

ゴォッ!!


するとリコレットの剣から一気に炎がほとばしりゴブリンは炎に包まれる。

「ぎゃああっ!!」

耳障りな断末魔を上げてゴブリン達は息絶えた。


・・・こいつ、魔法剣士か!

ジグは驚きを隠せなかった。


魔法剣士はその名の通り剣に魔力を乗せて攻撃する事を得意とする。


魔法と剣技の両方を高いレベルで習得する必要があり、使い手は滅多にいない。

魔法剣は強力だがパーティーに剣士と魔法使いがいれば代わりになるし、その性質上、魔法と剣で中途半端になりがちなため敬遠されるという事もあって魔法剣士自体目指す者はあまりいない。

実際ジグも魔法を極めたいがために武器自体ほぼ使わずにいた。


「さすがですなぁ!姫の魔法剣は!」

「世辞はよせ、たかがゴブリンだ。」

リコレットは剣をしまいつつ冷静に応える。


しかし言葉とは裏腹にリコレットは興奮を抑えるのに必死だった。これがダンジョンか、夢にまで見た場所に今自分は立っている。

「リコレット様。どうか一人で先行するのはお止め下さい。」

ベッツがリコレットをたしなめる。

「いいじゃねぇかベッツ!姫の夢だったんだからよ!ダンジョン探索は!」

「それは分かっているが・・・。」

「それに何かあっても俺等が守りゃいいだけじゃねぇか!

そのために来たんだろ?それに姫がそう易々とやられるかよ!」

「・・・お前に正論言われると異常に腹が立つな。」

「はっ俺はいつも正しい事しか言わねぇよ!」

「よせ二人とも、済まなかったベッツ、思わず我慢できなくてな、もう大丈夫だ。」

リコレットは素直に頭を下げる。

「リコレット様!お止め下さい!私はただ・・・!」

「分かっている、今度はゆっくり行くから安心してくれ。」

「はっ!」

なんとか昂ぶる心を抑えてリコレットは噛み締めるように歩み始めた。


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