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氷の魔法使いと炎の姫  作者: 白石カン


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コンビ結成

心から愛している。


ミルムからジグへの堂々としていて真っ直ぐな想いを間近で受けて百戦錬磨のリーナも思わず込み上げるものがあった。

リーナが戦争孤児で少年奴隷だった6歳のジグを拾ってからもう15年になる。

ジグを我が子の様に可愛がってきたつもりだし、生活面でも不自由なく育てて来た。

しかし類い稀な魔法の才を持ち大陸随一の実力者に育ったジグについ裏の汚れ仕事を押し付けてしまい、彼の人生を後ろ暗いものにしてしまったのもリーナ自身だ。

ジグはそういった仕事は性に合っているから任せろと言ってくれているし、拾われた事に恩義を感じているようだがリーナはずっと罪悪感を抱えていた。


だからかミルムのジグへの想いが純粋にリーナは嬉しかった。

思えばジグが仕事仲間を連れてくるのは初めての事だ。

ジグはその高い実力が故に仲間やサポートを必要としない。

むしろ足手まといになる、一人の方がやりやすいと言っていつも一人で仕事をしている。

そしてジグは一度も仕事に失敗していない。


ミルムの実力の高さは調べがついていて、リーナも良く知っているが、

正直今回の仕事もジグは一人で完璧にこなすだろう。

と言うか性質上一人の方がやりやすいはずだ。

それにジグの仕事はあまり表沙汰にしたくないものが多い。

情報を知る者は出来れば少ない方がよいのだ。


いやそういう問題ではない。

そんな事はジグ自身が一番良く知っている。

重要なのはあのジグが初めて仲間を連れてきたという事だ。

そしてミルムはジグを心から愛していると言っている。


ふっとリーナは笑う。

もうリーナの心に迷いはなかった。


「ジグを宜しくね、ミルムちゃん。」

「任せろ。」

「じゃあジグを呼んで来て貰えるかしら。」

「おけー。」


ミルムは身を翻してガチャリと扉を開けて立ち止まる。

「どうしたの?ミルムちゃん?」

「ジグが他の冒険者を叩きのめしてる。」

リーナは思わず頭を抱える。

ジグは仕事以外ではただの問題児だった。

「・・・止めれそう?ミルムちゃん。」

「最善はつくす、もう手遅れかもだけど。」

そういってミルムが勢いよく部屋を出ていくのを見つめながらリーナはため息をつく。


「苦労するわよ、ミルムちゃん。」




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