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氷の魔法使いと炎の姫  作者: 白石カン


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3/11

ギルド本部長リーナとミルムの覚悟

ルーゼン王国城下町の大通りでは商人や労働者達がせわしなく行き交い、出店の売り子の呼び声等がさらにその賑わいに拍車をかけていた。

その大通りをジグとミルムは二人連れ立って歩いていた。

「相変わらず賑わってる、この街は。」

出店で買った鶏の串焼きを頬張りながらミルムが呟く。

「けっ、金だきゃありやがるからなぁこの国は。」

ミルムの感想にジグは吐き捨てるように言葉を出す。

事実ルーゼン王国は豊潤な大地と豊富な資源、そしてダンジョンを複数有しており、その財政は非常に潤っていた。

「てめーの実力で潤ってる訳じゃねーのによ。勘違いのバカ貴族共が。」

「こらジグ、発言には気を付けて。」

「ふん、今更だろーが。それより着いたぞ。」

ジグはとある建物の前で足を止める。

その建物は豪華な建物が多いこの城下町の中でも、一際立派な作りをしていた。

ルーゼン王国、冒険者ギルド本部である。

ダンジョンを多く擁するルーゼン王国のギルド本部は大陸でも随一の規模を誇っていた。

「ほし、行くどー。」

「串焼き頬張りながら喋んな。」

口に肉を詰めながら喋るミルムに半ば呆れながらジグは扉を開ける。

ギルドの中は冒険者達でごった返していた。皆それぞれ立派な剣や斧、杖、鎧などを装備していて、依頼を見たり冒険者同士で情報交換したりしている。


さすがルーゼン王国のギルド本部といったところか、

駆け出しからベテランまで様々な冒険者でごった返していた。

その冒険者達の視線がジグ達に集まる。

丸腰の二人、特に見た目が少女であるミルムは目立つようだ。

こう見えてもミルムは立派に成人してるのだが。

「ここは子供が来るところじゃねーぞ。」

冒険者の一人から野次が飛ぶが、ジグとミルムは無視して2階に上がりギルド長室と書かれた扉を開ける。

それを見た冒険者達が少しざわついた様に感じたが、それも二人は無視して部屋に入る。


「ようリーナ、来てやったぞ。」

「ノックぐらいしなさい、ジグ。」

リーナと呼ばれた女性は腰まである見事な金髪をかきあげながらジグを見やる。

ルーゼン王国、冒険者ギルドの長リーナ・アルバゼン。

元最上級のSランク冒険者で下級貴族の出身ながら女性で史上初のルーゼン王国冒険者ギルドの最高権力者まで登りつめた傑物である。

「全くあなたは・・・って、あれ?もしかしてミルムちゃん!?」

「リーナ久しぶ、ぶほっ!」

ミルムに気づいたリーナは一気に間合いを詰めてミルムを抱きしめる。

「8年ぶりかしら!?大きくなったわね!」

さすが元Sランク冒険者、すばらしい身体能力だ。

ジグは感心するが、この女の本当の能力はそこではない。

恐らく・・・いや間違いなく、今日ミルムが来る事をリーナは知っていただろう、そしてその目的も。

全く白々しい芝居しやがって。

正直一番気になるのはルードの事だが、あれは昨日の夜の事だ、さすがに大丈夫だろう。まぁいずれはバレるだろうが。

「ジグ、私はミルムちゃんと話しがあるからあなたは下で待ってて。」

リーナはミルムを抱きしめながらジグに言い放った。

「は?人をわざわざ他国から呼びつけておいて随分な扱いじゃねーか?」

「あらそういう態度とるんだー。ねぇジグ話しは変わるけど、エンフィー公爵家の長男ルード様が・・・。」

「下で待ってます!ごゆっくり!」

ジグは慌てて部屋を飛び出る。

昨日の今日でバレているとは全く恐ろしい女だ。


リーナはジグが出ていくのを確認してため息をつく。

「全くあの子には困ったものねぇ。トラブル起こさなきゃ気が済まないのかしら。」

「ねえリーナ、昨日のあれは向こうからふっかけて来て・・・。」

「分かってるわよ。ミルムちゃんはいい子ねぇ。」

ミルムがジグを擁護しようと口を開いたがリーナが抱きしめて制する。

「リーナ苦しい。」

「あら、ごめんなさい。」

リーナはミルムを解放して椅子に座る。

「さて本題に入りましょうか、ミルムちゃんはどうしてここに来たの?」

「ジグの仕事を手伝いたい。」

「ジグの仕事内容はどの程度把握してる?」

「詳しくは知らないけど裏の汚れ仕事だとは分かってる。覚悟はできてる。その為に鍛えてきた。てゆーかリーナの許可がなくても勝手に手伝う。」

その言葉を聞いてリーナの顔から笑みが消える。

「そこまでする理由を聞いても?」

「私はジグに救われた、今度は私が救う番。・・・いやそれは建前。」

ミルムが少し間を空けて真っ直ぐにリーナを見つめて口を開いた。

「純粋にジグの側にいたいから。私はジグを心から愛している。」

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