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氷の魔法使いと炎の姫  作者: 白石カン


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圧倒的な実力差

リコレットが放ったファイヤーブレードは見事に吹雪を全てかき消す事に成功する。


「よし!」


完全に視界は開けてリコレットはすぐさまモンスターの位置を確認しようとしたが、目の前にはただダンジョンが広がっているだけであった。

まさか今の一撃で敵は燃え尽きたというのか。


「はっはー!さすが姫のファイヤーブレード!もう敵は跡形もないみたいですぜ!」


レブランが声高らかに笑いながら言ってのけたがリコレットには疑問が残った。


今のファイヤーブレードは相手の位置が分からなかったため広範囲に炎を広げたので、正直そこまでの威力はない。

とにかく吹雪をかき消すのが最大の目的で敵を確認して一気に接近戦に持ち込むつもりだった。


「所詮は六層のモンスターだったと言うことですな。リコレット様の敵ではありません。」

ベッツも珍しくレブランと同意見であったが、

直接自身のマジックバリアを破られたイーリエはリコレットよりも警戒心を拭えなかった。

「皆さん油断はしないで下さい。」

「ああその通りだ慎重に行こう。」



危なかった。

ジグは岩陰に身を隠しながら胸を撫で下ろしていた。

リコレットの一撃は完全に予想外で、なんとか避けたがまともに食らえばインビジブルは解けていただろう。


(苦戦してる?)

いつの間にかジグの隣にはミルムがいた。

どうやら退路の確保は出来たらしい。

無限にモンスターが湧くダンジョンではあるが一時の時間稼ぎにはなる。


(うるせー。)

ミルムに痛いところを突かれて思わずジグは悪態をつく。

確かに先程の吹雪で間違いなく撤退させられると思っていたが一筋縄ではいかないようだ。

(仕方ねえなぁ、もう容赦はしないぜ。)

(殺すの?)

(殺さねーよ!)

(冗談。)

(もっと冗談っぽく言ってくれよ・・・。まぁ要は姫さんだけ護衛すりゃあいいんだ。周りの従者達にはちょっと痛い目見てもらうか。周りが怪我すりゃ撤退するだろ。)

(・・・それ完全に悪役のセリフ。)

(けっ上等だよ。)


そもそも自分は善人ではない、今回の任務も一応護衛だが身を隠しながらの時点で純粋な善の行為ではないのだろう。


(悪役は悪役らしく行こうじゃねーか。ってお前何やってんの?)

いつの間にかジグの肩にミルムが乗っていて肩車の形になっている。

(これならインビジブル一人分で済む。私なりの気遣い。)

(いや邪魔なんだけど・・・、まぁいいやもう。)


ジグはため息をつきながら魔法を発動した。



「やはりまだ何も終わっていなかったか!」

六層の探索を再開しようとした瞬間またリコレット達は吹雪にさらされていた。

しかし今のところ先程の吹雪と何ら変わりは無いようだ。

「まさか消耗戦を狙っているのか!?」

「けっ!ただ芸がないだけですよ!」

レブランがリコレットの言葉にそう返した瞬間だった。

「がはっ!」

「ぐっ!」

「レブラン!?ベッツ!?」

前線の二人がうめき声を上げる。

「リコレット様!お下がり下さい!」

「これは・・・!?とうとう攻勢に出てきたか!!」

どうやらこぶし大の氷のつぶてが二人を襲ったらしい。

吹雪の劣悪な視界の中で容赦なく飛んでくるつぶてに対処するのは至難の技だろう。

次々に成す術なく被弾してしまっている。


「こっ、このぉ!汚えぞ!姿を見せやがれ!」

レブランがつぶてをなんとか斧で払いながら前に出ようとするも無数のつぶてを全て防ぐのは不可能だった。

相手は完全にこちらの居場所を把握している様だ。

こちらは大まかな位置さえ分からないというのに。


「マジックバリ・・!!ぐはっ!」

イーリエが詠唱を終えマジックバリアを発動させようとした瞬間につぶてを被弾してしまう。

相手は完全にこちらが見えている。

圧倒的に不利な状況だ。つぶての攻撃力は高くないもののダメージは確実に蓄積していくのは明白だった。

「リコレット様!申し訳ございませんがここは撤退を!」

ベッツがリコレットに進言するがそれは最早悲鳴に近かった。

「ベッツてめえ!諦めてんじゃねえ!」

レブランが食って掛かるがその声に余裕はない。

リコレットも限界を感じていた。

こうなっては決断は早い方がいいのは間違いない。


「撤退する!」

「姫!」

このまま何も出来ずに撤退するのはリコレットにとっても苦渋の決断だった。

「悔しいが完敗だ・・・。初戦はな。ルーグ!退路を確保出来るか!?」

「はっ!お任せを!」

シーフ職のルーグが撤退の準備を始める。

「皆、ルーグに続け!口惜しいが撤退する!」


よし!

その様子を見て今度こそ作戦の成功を確信してジグはガッツポーズを作りリコレット達が逃げやすい様に吹雪を調整する。


(作戦成功だぜ。)

ジグが得意げに念話でミルムに告げる。

これで後はリコレット達が無事にダンジョンを脱出すれば任務完了だ。当初の想像とは大分変わったが。


(ジグ、耳はいい?)

(あん?何だよ急に、まぁ普通じゃねーの?)

(姫さん最後の方、悔しいが完敗だって言ってたの聞こえた?)

(いや全く。まぁかなり実力差を見せつけちまったからなぁ。てか身体強化で聞いたのか?)

ミルムは身体強化の魔法を得意としているが聴力まで強化できるとは驚きだった。

(まーね。でその後姫さんこう言ったんだけど。)

(・・・何?)

やけに勿体つけるミルムにジグは少し嫌な予感がする。

ミルムがこういう時は大体ろくでもない事になる。

(初戦はな・・・だって。)

(・・・。二戦目あんの?これ。)



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