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枯死はどちらにお住まい?

 モカは、なんでそんなにも辛そうなんだよ…。

 

 壊れそうな心を、必死にフリフリのシャツにリボンをしめて、今にもボロボロになってしまいそうな心をリボンでとめているかのようだった。

 

「モカ…」

「うん?」

「オレ、枯死にあいたい」

「え?」

 

 モカは、オレをしばらくみつめて

「うん」

 と、うなずいた。

 

 オレは枯死にあって、どうするんだ⁉︎

 

 モカをもっと大事におもえよっていうのか?

 

 それとも、モカを泣かせるならオレがモカを幸せにするとでもいうのか?

 

 …

 

 違う。

 

 そんなこと…

 

 そんなことできてたら、はじめからそうしてたんじゃないか?

 

 オレには、そんなこと…そんなにモカがすべてがかわってしまうほど、モカの心を動かせるようなおとこじゃないんだ。

 

 でも、枯死にはその力があるんだろ?なら、その力で、モカを全力で包み込んでくれよって、お願いすることしかできないのかな。

 

 …やっぱり情け無いな。

 

 なんにもできない自分が…ただそばで見守ることしかできない自分が嫌だった。

 

「枯死に連絡してくれる?今日じゃなくてもいいから。オレちょっとトイレ行ってくる」

「うん」

 

 モカが枯死と電話をしている間に、オレはさっき買ったワックスで前髪を上にあげた。

 

 

 ほんとはドライヤーがあればもっとよかったけど、でもこれでもまぁいいだろう。

 

 前髪をあげたくらいじゃ、なんにもかわらないけど、でも一応の気合いだ。

 

 枯死は、たくさんピアスあけてるかもだけど…メイクばっちりでおしゃれさんなのかもしれないけど…でも、モカを好きな気持ちは負けない‼︎

 

 オレのおでこもそう言っている‼︎

 

 

 

 

「お待たせ、モカ」

 

 モカは、すでに電話を切っていたみたいだ。

 

 それよりもオレのおでこを…?前髪を?じっとみてる。

 

「あ、やっぱりヘン…だよね」

「ううん、似合うよ‼︎すっごくいい‼︎」

「ほんと?ならよかった」

「…うん」

 

 モカは、なぜか今にも泣き出しそうな顔をした。

 

 …

 

 もしかして、オレがいきなり枯死にあいたいとか言ったから…モカを困らせた?

 

「ごめんモカ。オレがいきなり枯死にあいたいとか言って」

「…ううん。今からあいに行く?」

「えっ、いいの⁉︎」

「うん…」

 

 

 すっかり元気のないモカ。

 

 やっぱり…あわないほうが良かった?

 

 …でも、いまさらだよね。

 

「待ち合わせ場所って?」

「わたしについてくればわかるよ」

 

 言われるがまま、お人形さんみたいなモカについて行った…んだけど…

 

 モカの家のめっちゃ近くやん…⁈

 

 なんなら、うちも近いけど…

 

 

 こんなに近くにいるの⁈

 

 

 …

 

 えっ⁇

 

 どういうことなのだろう…?

 

 このまま家を通り過ぎる…んだよね?

 

 って、そりゃそうだよな。

 

 でも、オレが知らなかっただけで、枯死は意外と近所に住んでいたのかも?

 

 なんなら、すれ違っているかも?

 

 

「あの…枯死さんってもしかして家近かったり?」

「うん」

 

 …

 

 やっぱりか…

 

「てか、近いもなにも春希はわたしの枯死にあったことある」

 

 ⁉︎

 

「えっ⁉︎マジ⁈」

「うん」

 

 …

 

 いつのまに⁈

 

 えっ?

 

 マジか…

 

 あるんだ?

 

 

 過去の記憶を一生懸命にたどった。

 

 いつ…?

 

 どこでだ?

 

 …

 

 駅とか…かな?

 

 真剣に考えていたら、いつのまにかモカの家の前だった。

 

「あれ?モカいっかい家になにか取りに行くの?」

「ううん」

 ガチャリと、鍵をあけるモカ。

 

 え?

 

 玄関をあけてモカが、

「入って」

 ってオレをみたんだけど…

 

 シーンとした家に、少しひんやりとした空気がなんだか少し、こわかった。

 

 

 え?

 

 これは、どういうことなの⁇

 

 

 続く。

 

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