どうしたん⁉︎
(好き)
(嫌い)
(好き)
突如、暗号のごとく送られてきた好き嫌い好き…
な、なんでしょうかね?
この意味のわからない言葉を送ってきたのは、高校生の同い年の幼馴染モカだ。
一発目に送られてきた好きって言葉をみて、オレは心臓が目から飛び出るかってくらいの勢いでした。
が、すぐさま嫌いってきた日には…
滑り台から真っ逆さまに滑り落ちた気分でしたよ。
そしたら、またすぐさま好きって…
もう、騙されませんよ。
心を落ち着かせて、
(どうしたー?)
って返信いたしました。
するとすぐさま
(好き嫌いは、よくないよ〜ん)
って送られてきましたよ。
…
はいはい。
どうせそんなことだろうとは、思っておりましたとも。
冷めた顔で携帯をテーブルに置きましたよ。
「なにそのつまらないみたいな顔は」
⁉︎
いきなりドア越しからひょこっと顔を出してきたモカ。
「モ…モカ⁉︎いたんだ?」
「もちろん」
…
なぜ、もちろんなんだよ?
そしてなぜにドヤ顔…
「それよりさ、さっきのびっくりした?したよね⁉︎ん?」
…
めっちゃ楽しそうやん…。
なんか、腹立たしかったので
「全然」
と、真顔で言ってやった。
するとモカは、
「ふーん、つまんない男だなぁ」
なんて言いながら、眉を下げた。
…
つまらない男だって⁉︎
「あ、モカ!オレそういえばついにできたんだぜ!」
と、つまらない男を脱却するべく発言をいたしました。
「えっ⁉︎で、できたって…まさかついに…」
「あー、うん。ついにやっとこさだよ。ちょっと待ってて」
オレは自慢げに隣の部屋へ向かった。
で…
やっとこさ完成した、キラキラパズルを持ってきたら…
あれ⁉︎モカがいないねぇ?
モカに連絡をしてみた。
(おーい、帰った?)
(ゔん。)
(腹でも痛くなったんか?)
(まぁ、そんなとこ)
まったく…
急に来たかと思えば、いきなり帰るし…
(そういや、明日一緒に夏休みの課題やるでしょ?何時からやる?)
(あ、ごめん明日友達と約束しちゃって…)
(そっか、ならまた違う日な)
(うん)
その日から、モカの様子がおかしくなった。
今まで、サバサバ系女子だったのにいきなりツインテールの巻紙リボンをつけ、フリフリのレースの入った黒のスカートを履きだしたのだ。
え?
今までズボン一択だったモカが…
いったいどうしてこうなった⁉︎
なにがあったんだよ⁈
まぁ、とてもよく似合ってはいるけど…
いきなりすぎん?
もしかして彼氏できたとか?
彼氏色に染まるってやつ?
…
高校が違うから、そこら辺は…いまいちわからない。
聞いてみちゃう?
…
でもな…
あんたみたいなインキャオタクは、ずっと部屋でパズルでもやっときゃいいよって言われそう…。
いや、言われなくてもまた新しいパズル買ってきては、ある‼︎
…そんなこと自信満々に言ったところでさ…
ね…
あははと、無理矢理前歯が笑った。
オレは、感情が死んでて前歯しか笑っていない。
そんな死んだ感情のまま、オレはモカの家に一ピースだけパズルを握りしめて向かった。
モカは、ちょうど玄関から出てくるところだった。
「あ…モカ」
「あれ?どうしたのっ?」
こっちが聞きたい。
どうしたんだよ?
ぬいぐるみ…
うさぎのぬいぐるみなんて抱っこして…
マジでどうした⁉︎
今までぬいぐるみとか…そんな女の子みたいなアイテム持ってなかったくせに…
マジでどうしたん⁉︎
いきなり変身アイテム手に入れたん⁇
「あの…その服も…髪も…リボンもぬいぐるみも…か、かわいいな」
思わず出た言葉が、これだった。
その言葉にモカは、
「えっ?ほんと?かわいい⁉︎ほんとに?なら特別にこれも見せてあげるー」
と、白くてかわいいモコモコのバッグから、なにやら光るコンパクトを出してきた。
え?
こ、これは…
「好きでしょ?春希こういうの」
…
うわー‼︎小さい頃めっちゃ欲しかったやつー‼︎
高校生になっても、ときめくオレって…ヤバない?
幼い頃、実はオレは魔法少女とかに憧れていたのだ。
でも、男の子だしいつもおもちゃは、恐竜か車…
でも、モカの家にいくとこういうのがたくさんあって、一緒に遊ぶフリして楽しんでいたっけ。
モカは、恐竜が好きだったなぁ。
オレとモカは、ほぼほぼ遊びたいものが逆転してるって感じだった…のに、いまさらモカは、どうしたって言うんだよ⁉︎
続く。