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ShadowSraid  作者: 鬼子
最終編 新世界の神編
96/98

<view:レメディ>


 ダリアがミノタウロス撃破と同時刻・・・


「ダリア様・・・!」


「うぉ・・・目が覚めて早々に叫ぶとは・・・いやな夢でも見たか・・・? 機械が夢を見るのかは謎だがな」


 目が覚めた私にそう話すのはダリア様の義手を作ってくれたカジートという男性だ。


「ここはそこですか?」


「シャインソフィア・・・と言いたいが・・・面影がない点はどうしたもんかね・・・」


 私の質問にカジートはそう話す。


「何を言っているんですか?」


 私は彼の言っている意味が分からずに質問をする。


「さぁな、ワシが聞きたいもんじゃ・・・」


 そう言いながら彼は上を見ていた。


 首をかしげる私を見てカジートはため息を漏らす。


「そんなに気になるなら自分の目で確かめてこい」


 そういって玄関のある階への階段を指さした。


 私はそれを見て体を起こす。

 そして歩き出した。


 薄暗い・・・ダリア様はここをどう通ったのか・・・


 そして玄関を開けて外に出る。


「空が・・・赤い・・・」


 そう・・・見上げた空は赤かった。

 シャインソフィアの街並みは炎に包まれ、綺麗で栄えていた町の面影など見当たらない。


「これは・・・」


「さぁな・・・ダリアの少年が最後の仕上げに入ったのかもしれないな」


「ダリア様は生きているんですか!?」


 私がそう話すとカジートはため息交じりに首を振った。


「知らん・・・」


「ならどうして・・・」


 ならどうしてダリア様が最後の仕上げに入ったといったのだろう。


「でも・・・あんたを連れてきた男はダリアに頼まれてここに来たと言っていた・・・今ならまだ間に合うかもしれん・・・」


 その話を聞いた瞬間に走り出す。

 まだ間に合うかもしれない。


「助けなきゃ・・・!」


 すべてのリミッターを外し、全速力で線路を走る。

 列車は通っているが、機械の私にはあまり関係ない・・・

 すぐにあの場所まで戻ってきた。


「なんですかこれ・・・」


 知らない・・・


 私は銃で撃たれて・故障して・・・いつの間にこんなに・・・


 そう。

 知らない間に姿を変えていたのだ。


 こんなこと、ダリア様が望むはずがない。


 そんな時、背後から足音が響く。

 私はゆっくりと振り返り、姿を確認した。


「誰ですか・・・」


 そう言って視界にとらえたのは白髪の男だった。


「クソ・・・万物遮断も厄介な能力だな・・・」


 そう呟く彼の右手には人の頭がもたれている。


「ハルトさん?」


 そう、彼が持っている頭は、同じ転移者のはずのハルトの頭部だった。


「あれ・・・君もハルトの知り合いだったの?」


 そう言いながら彼はハルトの頭をゴミのように放り投げた。


「・・・仲間ではないんですか?」


 私のその言葉に彼は首をかしげる。


「仲間? 裏切り者だよコイツは。 かなり面倒な能力だからな・・・早めに処分できてよかった・・・。 魔界を反転させた現状じゃ助けに来るのも一苦労だしな」


 そう言いながら彼は私をにらむ。

 

「魔界を反転?」


 何を言っているのかわからない。

 いや、わかっている。

 だが、それを可能とする能力があるのだろうか?

 私はそれが分からなかった。


「そう、魔界の反転。 正確には概念反転だが・・・まぁこの際どうでもいい」


 そう言って頭をかく。


「あなたは・・・」


 私が離すと同時に彼が話し出す。

 

「概念反転『(きゅう)』」


 彼がそう話すと崩れていた建物や古い建物が時間をさかのぼるように修復されていく。

 だが、私の体は錆がひどくなり、視界がかすんでいった。


「あれ・・・案外腐らないな・・・上等な素材で作られた機械だ・・・」


 そう言いながら彼は近くに落ちていた石を拾う。


「まぁいいや。 お休み」


 そう言って私の頭部を殴りつけた

 頭部から重い金属音が響き、視界にノイズが走る。

 何かが体から漏れているのか、液体検知機能が反応していた。


「はぁはぁ・・・思いのほか・・・堅いな・・・」


 そう呟く彼を見上げる。

 視覚部品の破損で立っていられない・・・

 平衡感覚が失われたか・・・


 そうだ・・メモリーは・・・大切なデータがある。

 博士のことや、クロークス様のこと。

 ダリア様の言葉や、フィーニス様のこと。

 どれも大切なデータだ。


 私はデータを奥深くにしまい込み、彼を見つめる。


「あなたは・・・あなたはダリア様には勝てない。 あの男は・・・彼は・・・私のご主人様は・・・恐ろしく強いから・・・!」


「あっそ」


 その言葉と同時に金属音が鳴り響き体が倒れる。

 私はここで終わり。

 役には立てなかった。 でも、ダリア様なら私の死体を見れば何が起こったかわかるはず・・・

 だから大丈夫・・・


 安心して眠れる。

 あぁ・・・最後にご主人の顔を見たかった・・・


 でも、私の胸にはみんなと過ごしたデータが・・・ううん、思い出がある。

 だから・・・


 顔に何かが伝う。

 これは知らない機能だ・・・

 博士・・・私がこんな感情を持つことを予測していたのだろうか。

 もっと早く知りたかった・・・もっと・・・


「まだ死にたく・・・」


 そう声に出そうとした瞬間、重い金属音が響き視界が完全に閉ざされる。

 そこで私の意識はブツンと途切れた。

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