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ShadowSraid  作者: 鬼子
異端の強者編
89/98

8

 私の腕には確かに赤く光る腕輪が取り付けられている。

 経験と、知識だろうか。


 それが追いつき、私の等級が上がった?

 それとも神が戦えと、一時的に力を与えたのか?


 『万能跳躍(ハイテレポーター)』のカズマとの戦闘はこれからだろう。

 私の能力で兵士たちは皆殺し合っている。

 

 だから、1人に集中すれば倒せるはずだ。

 あの驚きようから察するに、赤等級の冒険者をみるのは初か、戦ったことがないかのどちらかなはずだ。

 

 なら、転移者よりかはこの世界に詳しい私に軍配は上がるはずだ。


 早く倒してダリアを探さなくちゃいけない。

 地面が爆発したのも、おそらく転移者の仕業だ。

 そして、彼らは驚くほど強い能力を有している。


 早く行かなくては・・・


「赤等級なんて聞いてないぞ!」


 カズマが怒鳴るようにそう話した。

 私より身長が高かったカズマも、獣化してしまえば私より低くなる。


「私だって赤等級になるなんて思っても見なかった」


 確かに、私はずっと金等級だった。

 ダリアは銅から上がらない。何か、理由があるんだ。

 私はずっと、貢献度を可視化しているものだと思っていた。

 誰かの役に立ち、誰かを助けると評価が上がるのだと。

 だが、その理屈だと、私より先にダリアが上がらなくては意味がない。きっと、恩恵に関係するのだろう。


「あなた達の能力は誰が与えたの?」


 私はカズマに質問をする。

 単純に気になったからだ。


「神じゃないか?しらねぇよ」


 カズマは考えるそぶりすらせず、即答でそう呟いた。

 

 だが、神とは一体なんなのだろうか。

 私たちが言う神と言うのはアルゴとかのことだが、これに対しても文献や情報は少なく、知識としての存在も曖昧で、信仰している人間は限りなく少ない。


「でも、能力とかの出所なんか別にいいだろ?」


 カズマはそう話しながら姿を消す

 

「消えた・・・!」


 瞬間、背中に鋭く重い痛みが走る。


「フィーニス様!」


 レメディの叫び声が響き、カズマは私の背中にいるのだと認識する。


 私が大きくなってしまったから、レメディは武器を振り回せない。


 だが、小さくなったら戦えるのか・・・

 無理だ。


 彼女は他者の気持ちを理解できない。

 なら、予測することも不可能だろう。


 彼女は、レメディはきっと、彼に勝つことはできないだろう。

 だから、私が戦わなくてはならない。

 レイドと協力すれば多少は変わるかもしれない。


 でも、能力や恩恵を持たない彼らが勝てるとは到底思えなかった。


 私は・・・それでも


「痛いわね!」


 私は体を揺らし、カズマを振り解こうとする。

 深く突き刺さったナイフが、振られた勢いでそのまま滑り、皮膚を切り裂いた。


 激痛が走り、傷口は焼けるような暑さに包まれる。

 血液が溢れ、毛が重くなるのを感じる。


「おっと」


 カズマは着地した後に、すぐ距離を取る。

 握ったナイフは血で染まり、切先から床に流れ落ちる。


「浅かったか・・・」


 カズマはそう話し、私を見つめた。

 赤等級を相手しているのに動じないとは・・・さすがと言うべきか。


 だが、私も負けられない。

 爪を立て、牙を剥く。

 ナイフに反射する私の姿は、正真正銘、獣の姿をしていた。

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