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俺はゆっくりと手を上げ、ため息を漏らす。
「いいや、降参だ。信じるよ」
俺のその言葉にジェイルはニヤリと笑い、頷いた。
「なら、夜に落ち合おう。数時間。多少の休憩にはなるだろう?」
「まて、作戦会議は?」
「はっ!作戦はねぇよ。最も、相手の力量が分からないんじゃ作戦を立てたどこで総崩れして動けなくなる。 なら最初から臨機応変に対応する方が動きやすいだろ」
そう言ってジェイルとカルロスは姿を消した。
集まっていた人間が、まるで何もなかったかのように散り散りになる。
「宿に行って、またこよう」
そう言って歩き出した。
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数時間後。
空が黒くなり、街灯が次々に点灯する。
明かりが街を彩り、その真ん中を俺達は歩いていた。
「ついにここまで来たわね」
「まぁ順序は逆になったけどな」
そう。
実際は魔王になるところから始めようと思っていた。
魔界は帝都の下にあると、誰が知り得ただろうか。
勇者は外に向かった。魔王を倒すためにと。
どこかにゲートがあるのだろう、そこに足を踏み入れ、血を流しながら戦ったはずだ。それが、帝都の真下にあるとは知らずに・・・
ついたな・・・城門につく。
「貴様ら!ここで・・・!」
衛兵が喋ろうとした瞬間、衛兵の影から黒い腕が伸び、彼らの意識を途絶させる。
「きたかぁ。魔王候補」
「まぁな」
ジェイルの体が地面から徐々に這い出てくる。
全長3メートルにわたる巨体が見える頃には、俺たちの周りには十数体の影が現れていた。
「準備は?」
「出来てる」
「死ぬ準備もできてるか?」
すると全員が俯いた。
「正直、レイドは役に立たないと思え。本体に恩恵はあるが、レイドにはない。戦術の幅は狭くなるのはわかってる。だから今の質問は・・・レイド、お前らに対してだ。死ぬ準備はできてるか?」
ジェイルのその言葉を聞き・・・ゆっくりと顔をあげる。
「・・・・・・、・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・、・・・・・・!
「・・・・・・・・・・!!!!」
武器を掲げ、声を出す。
言葉は分からないが、どうやら覚悟は出来たらしい。
「よし、決まったな。 上から引っ張り上げる予定だったが・・・担いで上に行った方が早い。ちと失礼」
そう言ってジェイルは俺を担ぐ。
「軽いな。ちゃんと飯食ってるのか?」
「食ってるけどな」
すると、レメディの周りにいたレイドが頭を抱える。
「なんだ? ・・!・・・・・、・・・・・・!」
ジェイルは即座に彼等に通じる言語に切り替え、会話をする。
数回言葉をかわし、ため息を漏らした。
「あの女。人間じゃないのか? 重いってさ」
「あぁ・・・ジェイルだったら担げるか?」
機械の身体はやはり質量があるのだろう。
ひどく重いのか、彼らが弱いのかは定かではないが、担ぎ上げられないと嘆いていた。
「はぁ・・・なら俺があいつを担ぐよ。・・・・・!・・・・・・」
ジェイルはため息を漏らしそう話して彼らに説明をする。
直後、数人がこちらを見て喜ぶような動作をした。
「・・・・!」
「何を言ってるのか分からん」
俺に言葉が通じてないのがわかったのか、ため息を漏らし、体を担ぐ。
「よし!行くぞ!」
そうして城の屋上まで一気に飛び上がった。




