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俺は城を睨む。
「これに侵入?どうやって?」
助けの綱はすでにない。
「夜間に忍び込む?」
フィーニスがそう呟いた
「ダメだ。皇族だぞ、夜の奇襲に備えて警備を強化している可能性がある。 その包囲網を突破できる自信がない」
静寂に包まれ、考える。
「なら俺たちが手伝ってやるよ」
突然、そんな声が響く。
姿は見えず、声だけが響いた。
「フィーニス!」
「わかってる!」
帝都、シャインソフィアのゲートを出てすぐの場所だ。
視界は拓けていて、よく見える。
俺たちは背中を合わせて周囲をみる。
「レイドだ・・・!」
姿は見えず、声だけ。
それがレイドを裏付ける証拠だ。
視線を巡らせ、隅々まで見渡すが発見はない。
「まじで気づかねーのかよ! 少し傷つくぞ」
瞬間、背後の狭い空間にレイドが現れる。
「こいつ!俺たちの影に隠れてやがった!」
恐ろしく長身
3メートルはあるだろうレイド。
特大剣と同等ほどの大きさを誇る槍を持つが、その身体は細く、形状は砂時計に似ている。そのためか、異質を隠せず、纏う空気は気味の悪いものだった。
「そんなに驚くんじゃねぇぜ!」
また別の声が聞こえた瞬間、レイドが何かを生み出すようにもう一体、次は筋骨隆々のレイドが現れる。
何も持っていないのは、自慢の拳が武器だからか。
「お、やっぱり驚くかぁ?いや、これは警戒しているな!」
そう言ってデカい影は笑う。
「自己紹介が遅れたな、俺はジェイル。で、コイツがカルロス」
細身の影はそう話した。
「知らない・・・本体は誰だ?」
俺がそういうと、彼らはゆっくりと指を指す。
それは、気絶させた衛兵を向いていた。
「あれが本体。困るぜ、今は弱いんだからよ」
「今は?そうだ、お前ら、なんで普通に話せる?」
そう問うと、彼らは顔を見合わせる。
「サディアって知ってるか?」
「あぁ。そいつに復讐するために動いてるしな」
その答えに彼らは喜ぶように小さく跳ねる
「俺たちは昔、サディアより強かった一緒にいることも多かったし、言語習得も共にしていた。だがな、ある時から俺たちの力が弱くなるのを感じた」
「本体か?」
「大正解。本体が冒険者になり、力をつけた。今は衛兵なんて低賃金のクソみたいな事をしているが・・・彼らは数年前までは赤等級の冒険者だ。彼らが弱くなったことで、俺たちは強くなる。仲がいい・・・とは行かないが、本体はアンタらを意外と気に入っているらしい。だから手伝ってやるよ」
そう彼らは話した。
「侵入方法や勝算は?」
俺は問う。
「あるぜ?ありすぎるくらいに余裕だ。負けるわけがない・・・」
細身のレイド、ジェイルはそう呟いた。




