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攻撃が届かない!
届かないと言うのは比喩ではなく、実際に起きている現象だ。
透明な壁のような物が展開されており、刃を滑らしても付いてくるように壁が展開される。
すると、男は特大剣に手をかけ、引き抜いた。
繋がれていた紐が解けていき、漆黒の特大剣が姿を見せる。
溶鉱炉の炎に当てられ、漆黒の刃に赤い光が混じっていた。
「魔王崇拝者発見!」
そう叫びながら振られた特大剣を防ぐが、質量と力量に体が巻き上がる。
背中が天井に当たった瞬間、追撃と共に爆発音が鳴り響いた。
次に目を開けば、視界には綺麗な街を見下ろす風景が映る。
「まじかよ!」
ここまで飛ばされた。
それほど彼の、男の力が強かったと言うわけだ。
体制を立て直し、着地するためにバランスを取る。
地面につくまで後数センチ
「正面注意!!」
男の声が響いた瞬間に体に衝撃が走り、足をつく前に体が弾き飛ばされる。
肋骨が砕ける音がひびき、家屋を破壊し、地面に寝転がる。
「・・・いって・・・」
取り付けてもらったばかりの腕は無傷、ここはさすがだと言うべきだが、やはりまだ馴染まない。
この状態で戦うのは厳しそうだ。
ゆっくりと立ち上がり、彼を見つめる。
少し視界が狭い上に、フラフラとする。
脳が揺れたか。
「おいおい、魔王崇拝者って弱いのか?もっと組織的な物かと思ったが、たった1人、いや3人か。世界中に広がってるって話だったが、どうなってるんだ?」
そう言って、男は少し考えるそぶりを見せる。
バカに見えたがそうではないのだろうか。
頭を使わない馬鹿はそもそも考えることを放棄する。
何かを信じることにあたって厄介なのは、信じ切って疑わないこと、シグレやアキハのように皇帝が正しいと思い込んで仕舞えば考えを変えるのは難しい。
「おい!少し聞いて良いか! 少し興味がある」
すると、ニヤニヤした男に声をかけられる。
「・・・なんだ!」
俺はそう返した。
戦闘中に会話とはお気楽なものだが、男にはそれだけの余裕があると言うことだろう。
少しの休憩にもなる、乗ることにした。
「魔王崇拝者って、何人いる?」
「さぁな。そもそも、俺は魔王を崇拝していない!」
そう話すと男は首を傾げる。
「ならなんで戦う⁉︎」
「魔王を復活させる! それでレイドを封印するために動いてるんだ!」
俺がそう話すと、構えていた特大剣から力が抜ける。
「・・・何してんだ・・・?」
「レイドってなんだよ。そんな話一度も聞いてないぞ」
男はそう呟いた。
「魔王崇拝者を殺すのなんでだ?」
「皇帝が「魔王崇拝者は魔王を復活させようとしている。それを止めれば、元の世界に返してやる」そう言って俺たちに能力を与えた」
男はそう話したが、その言葉に疑問を抱く。
「まて、その言い方だと、皇帝が能力を与えたように聞こえるが?」
「そうだ・・・え? お前らは違うのか?」
俺の問いに、男は驚きながらも首を傾げた。
「ふぅ・・・もっと話した方が良さそうだな・・・」
男は特大剣を地面に起き、地面に座り込む。
「おい、戦闘中だろ!」
「知らん! 少し前からおかしいと思っていたんだ。俺は馬鹿だしわからないが、崇拝者って儀式とかする過激派じゃないのか? 命をかけて、能力を使って戦う奴らがそんな陰湿な感じだとは思わない。 それに・・・」
男は黙り、ため息を漏らす。
「顔は絶望してないし、使命に駆られてるような気がしたんだ。 腐ってない。そんな奴らが魔王を崇拝するか? 違う、恐怖の対象を崇拝するのは何かしら辛いことがあって、腐ったからだと思ったが、そうは見えない。 おい、話を聞かせろ。レイドについて」
そう言いながら男は俺を見つめた。




