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見上げた時、空の眩しさに目を細めた。
ため息を漏らし、右肩をみる。
まだ出血が止まらず、血が流れ出ていた。
「・・・どうするか・・・」
そう呟いた時、レメディがそばにより、手を当てる。
緑色の光が溢れ、患部が暖かくなった。
「治療しています。動かないでください」
レメディは治療する手を止めないまま、遺体となった彼らを見つめていた。
「彼らはなんなのですか?」
「わからん。異国・・・日本て言う国から来たらしい」
そう話すと、レメディが目を見開く。
「日本・・・英語がある世界と同郷かもしれません」
「なに?」
レメディは彼らを見つめながら口を開く。
「古い書物に記載があります。青い球体。その中には数百を超える国があり、多種多様な言語を扱い、争い、共存する生命が存在すると・・・」
傷が塞がり、完全に血が止まる。
「ダリア!」
「フィーニス・・・」
フィーニスが俺の方を見て顔を歪める。
「死んでたかもしれない」
「すまん」
彼女は一度歯を食いしばり、すぐに表情を戻した。
「その状態で戦うつもり?」
「避けたいが・・・手段が他にない」
フィーニスが耳をパタパタと動かしながら少し考える。
数秒後・・・ため息を漏らしながら口を開いた。
「蒸気機関都市シャインソフィア」
「なんだそれ」
俺は首を傾げながら問いかけた。
「小さな武器から兵器まで、なんでも作る加工屋の街よ。そこなら義手や義足があるかも、レメディと一緒なら神経を繋ぐこともできるかもしれないわ。現実的ではないけどね」
「でも、実際にこの身体で戦うのは不可能だ。神経を繋ぐことが出来なくても、義手の一本や二本・・・」
俺がそういうと、レメディが俺の肩を叩く。
「ダリア様。フィーニス様のいう通り、神経の縫合ならできます」
レメディがそう呟いた。
「・・・じゃあ、目的地はシャインソフィア・・・か。道中の魔物は任せていいか?」
「わかりました」
「構わないわ」
そして、俺達は蒸気機関都市を目指して歩き出した。
「道どっち? あっち?」
「え?あっちじゃない?知らないけど」
「なんで提案したんだよ」
ため息を漏らしながらキョロキョロとする。
「・・・ダリア様。聞き込みをするのがいいかと」
「だよな」
そう言われて周りを見るが、彼らとの戦闘で周りに人間などいない。
「聞き込みをするために、聞き込みをする対象を探さなきゃな・・・」
「ですが、この騒ぎだとかなり遠くに行っているはず、それに私たちの情報も広がっているかと・・・話を聞いてくれる人間がいるかどうかを探さなくては行けません・・・」
「てことは・・・」
顎に手を当て考えると、フィーニスが口を開く。
「聞き込みをするために、聞き込みをする対象を探す。だけど、その中から聞き込みに応じる人間を探さなきゃ行けないわけね・・・まぁ、ド派手に暴れたからね」
3人とも深いため息を漏らす。
フィーニスは小さく頭を振っていた。
「・・・行くか。人・・・あっちならいるかな」
そう言って、血が滴る瓦礫の道を歩み始めた。
これから流れる血はこれよりはるかに多いと、この頃はまだわからない。




