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レメディはこちらをじっと見つめ、意思を表す。
「・・・やるか」
俺がそう呟くと、フィーニスとレメディは頷いた。
「でも、なんで皇帝を守るのかしら」
「多分。真実は隠されてる。レイドの話題は出なかったから、敵か味方か、レイドの存在すら来訪者は知らないかもしれない」
レイド自体が神出鬼没だ。
サディアに来訪者の情報を教え、彼らと交戦するなと伝えれば・・・この状況は簡単に作り出せる。
「問題は来訪者が10人くらいいるって話だ」
俺がそう呟くと、フィーニスは目を見開く。
「10人?多いわね。 で、でも・・・ただの人族でしょ?」
眉を歪めながら質問するフィーニスに俺は小さく首を振る。
「いや。全員何かしらの能力を持っていると思った方がいい。 ・・・俺があった女はアリマシグレ、青髪の少女だ。年は・・・多分16とかそのあたり。能力は万能治癒。死んでいなければ心臓から100%再生するらしい」
俺がそう説明すると、フィーニスは首を傾げる。
「クリーン? どこの言葉だろ」
「さぁな」
俺が小さく首を振ると、次に口を開いたのはレメディだった。
「クリーン。言語は英語と呼ばれる物に分類されると思います。 博士は色々教えてくれました。 クリーンは掃除、綺麗にする。などの意味があります。 ですが、この場合。傷を無くす。見えなくする、綺麗にする、などを意味したクリーン。彼女自身が自身で名付けた名前だと推測します」
と、レメディは淡々と話した。
「なんでそんなこと知ってるんだ?」
「昔の書物。国が生まれる前の書物には、建国に携わり導いたのは異国からの来訪者だと記載があります。 帝都、皇都含め、国名なども英語である可能性があります」
レメディはそう話していた。
「あぁ・・・いたいた」
瞬間、レメディの背後から声がした。
俺は体を傾け、声を発した主を確かめる。
1人の男だ。
メガネをかけた男は、右手にゆるく湾曲した剣を持つ。
「・・・アリマさんから聞いていましたが・・・黒髪に赤目・・・。仲間はもっといるかと泳がしてみましたが・・・どうやらいないみたいですね?」
そう言って男はゆっくりと刀身を抜く。
「変わった武器だな! 薄い。脆いんじゃないのか?」
俺がそう話すと、男はニヤリと笑う。
「これは『刀』と言われる日本に伝わる伝統武器です。 切れ味を追求し、美しい刀身を宿しました。刀・・・は横にするとどうですか?・・・見えないでしょ?」
男はそういいながら、刀の刃をこちらに向けた。
背景、地面の色と同化して確かに視認しずらい。
「用いられる流派は数知れず、まだ発見されていない流派もあると聞きます」
「ご丁寧に説明ありがとな! でも、黒髪で赤目は探せばいるだろう! 人違いだ!」
何やらまずい雰囲気を感じ取り、逃げるために言葉を弄す。
あの刀とか言われる薄い武器・・・やばい。何がやばいかわからないがやばいぞ。
それに、あの自信。どこからくるんだ。
「僕の名前は原秋葉。 女の子みたいな名前ですが、綺麗で気に入っています」
ハラ アキハと名乗った人物は刀を掲げ薙ぎ払う
瞬間、体が自動的に膝をついた。
本能がやばいと感じ、無意識的に姿勢を低くしたのだ。
汗が垂れ、地面に落ちる。
背後の建物が両断され、崩れ落ちた。
「一般人もいるんだぞ⁉︎」
「魔王崇拝者を殺害する場合、街への被害は気にしなくていいと皇帝に言われているので大丈夫です。安心してください」
刀の刀身を撫でながらアキハは話す。
「能力の名前は・・・そうですね・・・まぁ。シンプルに・・・『万物両断』とでも言っておきましょうか・・・」
アキハはそう話しながら刀を掲げる。
照りつける太陽の光が刀で反射され、ギラギラと光り輝く。
「やりますか」
アキハは静かにこちらを睨んで呟いた。




