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ShadowSraid  作者: 鬼子
愚者共の選択編
50/98

16

 ギラの大きな瞳が俺を見つめる。


「絶望?」


「あぁ、絶望だ。我々は影には絶対に勝てない」


 はっきりと言い切ったギラに違和感を覚える。

 確実にわかっているような・・・そんな言い方だ。


「さっきの逆さまが本当なら、勝ち目はない」


「理由は?」


「この世界には弱者と強者。どちらが多いと思う?」


 それを言われて気づいた。

 逆さま・・・まさか。ステータスも逆さまか?


 弱い人間が多い世界だ。

 例えば。弱者が1000人、強者が10人だとした場合、襲ってくる影は強者が1000人、弱者が10人になる。

 そして、冒険者出ない人間・・・つまり戦えすらしないほど弱い人間の逆となれば・・・黒等級かそれ以上の力を持つ影共の集団になる。


 あぁ、だから。皇都や帝都を襲った影は強く、オアシスグレイスを襲った影は弱かったのか。

 この説明なら納得がいく。


 だが、たまたま。偶然を否定は出来ない。


「さぁ、話を・・・」


 瞬間、ギラが立ち上がる。


「・・・ギラ?」


 俺の言葉を聞かずにキョロキョロとする。

 突如、コンコンと部屋にノックの音が響く。


「失礼します。ギラ・・・レイドが来た」


「レイド?」


 俺たちはギラに問いかける。


「影のことだ、神出鬼没。戦闘になるときはほぼ急襲が多いことから、レイドと名付けた」


 そう言ってギラは牙を見せる。


「ダリア、予定が変わった。ここは戦場に変わる。逃げろ、私たちは死ぬ」


「何言っ・・・」


 その瞬間、爆音と共に家屋が吹き飛ぶ。


 太陽の光が差し込み、突風が吹く。


「ダリア!上空⁉︎」


 フィーニスの声がひびき空をみると翼の生えたレイドが現れている。

 剣と盾を担ぎ、聖騎士のような見た目をしていると思う。


 黒すぎて遠近がわからない。


「・・・・・・・・!・・・・・・・・」


 なんて言っているかわからないが、翼の生えた聖騎士はこちらを見下しているように見える。

 聖騎士は剣を構えると、先端に光を集める。


 金属が鳴り響くような音がした後、光だし、光線を放つ。

 地を焼くように這い、火の海を一瞬で作る。


「フィーニス!クロークス!戦うぞ、守るんだ!」


 俺はそう叫び、短剣を握る。

 クロークスは雷を纏い、フィーニスは獣化をする。

 だが、俺たちが戦うことを止めたのはギラだった。


「ダメだ! 今戦っても勝てない!逃げるんだ!」


「でも・・・!」


「奴らの目的は知識だ! 自分たちを封印できる可能性がある。その知識を持っている可能性がある竜人を皆殺しにするためだ!」


 ギラはそう叫び俺を睨む。


 瞬間、光が視界に入る。


「ウィンド!」


 ギラがそう唱えると俺たちの身体が風に包まれ飛ぶ。


 地面にばたりと落ち、ギラをみると既に体が傷ついていた。

 

「ギラ!」


「私達の基地自体は他方に存在する! 一つ二つ潰れようが問題はない!」


「それは違う! ギラ、お前は!」


 瞬間、浮遊感に身が包まれ、視界が眩しく光る。


「私たちは無詠唱で魔術を扱える種族なんだ。ダリア!私を恨まないでくれよ!」


 そんな声が響いた。

 数秒後、地面に降り立ち、周りを見る。


 突発的な寒さ。

 薄暗く、霧のかかった街並み。


 生えている木は葉が一枚もついておらず、捨て去られた街にも見える。


「移動魔術・・・」


 俺は呆然としながら周りを見る。


「なんだ・・・ここ」


 俺はそう呟く。


「ここ・・・ドールミストかよ」


 クロークスが静かにそう言った。


〜霧に包まれた街 ドールミスト〜


「死んだのか?」


 そう呟く。 少し寒い空気が流れ、息が白くなる。


「姉貴・・・」


「クロークス。1人では動くな。何かあるかもしれない」


 呆然としたクロークスに指示する。


 瞬間背後から足音がした。


「誰・・・ですか?」


 振り返ると女が立っている。

 腰まではある薄黄色のツインテールに、白い服を身に纏っている。


 スカートのようなものを履いているが・・・

 あれは服と繋がっているのか?

 

「敵か?」


「わからない」


 クロークスが呟いた事に俺は静かに返す。


「貴方たちは人間ですか?」


「・・・そうだ」


 彼女の質問に答えると少し嬉しそうな反応を見せた。

 瞬間、彼女の後ろの空間が歪み機械仕掛けの大剣が出現する。


 その大剣は人間の4倍から5倍の大きさで、数は4本。


「なんだよ。それ、魔術かなんかか⁉︎」


 俺は短剣を抜き、クロークスは雷を纏った。

 フィーニスは獣化をする。


「変わった人もいるのですね・・・私は知らない」


 彼女はフィーニスを見てそう言った。


「ダリア!戦うのか⁉︎」


「やるしかないだろ!」


 瞬間、大剣が動き出しクロークスを捉える。

 

「避けろ、クロークス!」


 叫んだが少し遅く、クロークスは地面を激しく転がる。


「ください。私に、貴方たちのパーツをください」


 彼女はそう言って、寂しそうに懇願した。

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