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ShadowSraid  作者: 鬼子
愚者共の選択編
49/98

15

 コトっと音を立ててギラがカップを机に置く。


「代償?」


 俺がそう言うと、ギラはため息を漏らして話し始めた。


「かなり前の友人なんだが、口以外は機能が失われた。ずっとベッドの上で過ごしてたよ。目は見えない。あぁ、耳は聞こえていたっけか。 腕は動かないし、足も動かない。 彼はそれを代償だと言っていた」


「その人は今どうしてる?」


 すると、ギラは少し笑った。


「いや、寿命で死んだよ。もう・・・70年くらい前の話だからな」


「7・・・70? まて、ギラ。アンタいまいくつだ?」


「今?・・・多分500くらいかな? あれ。もっと行ってたか?」


 ギラは首を傾げながらそう言った。

 そして再度、笑いながら話す。


「まぁ。散々脅しては見たがあまり気にしなくていい、代償があろうがなかろうが、ないようなものだ」


 そのギラの言葉に俺は首を傾げる。


「どうしてだ?」


「はは。冒険者ならわかるだろ?」


 瞬間、ギラの目が鋭くなる。


「代償が現れる前に死ぬからさ」


 そう言っていた。

 そうしてギラはゆっくりとソファに座る


「さて、じゃあ。さっきの質問に戻るが、アルゴからの招待状はあるか?」


「招待状? 紙とか・・・か?」


 俺の質問にギラは首を振った。


「いいや、違う。 そうだな・・・じゃあ。誰か死にかけたか?一度でも」


 ギラのその質問に、フィーニスとクロークスが俺をみる。


「何か覚えているか?」


「いいや・・・全く」


 ギラはため息をついたが、ニヤリと笑った。


「まぁ招待状はあるらしいな。螺旋の霧は越えられる。 さて、我々も気になる本当の本題。影について話そうか」


 ギラはそう言って息を吐いた。


「さて、私たちもまだわからないことが山ほどある。情報の交換と行こうじゃないか」


 そう言ってギラはこちらを睨む。


 俺はフィーニスとクロークスをみる。

 なかなか話し始めないギラを見て、先に話せと言うことなのかと俺は思う。


 少し息を吸い、唾液を飲み込む。


「じゃあ。先に・・・影ってのはなんなんだ。魔王の手下か?」


「・・・多分な・・・」


 ギラはため息を漏らしながら肯定した。


 その言葉に、俺は小さく頷いた。


「ウィングロストの連中は警戒しているとはいえ、あまり重要視していないように見えるのはなぜだ?」


「あぁ。別に影が溢れかえるのは今回が初めてじゃない。過去に何回も現れてる」


 ギラはため息を漏らしながらそう言った。


「何回も? それって周期とかあるのか?」


「いや、周期はないよ。ただ・・・」


 ギラは目を瞑り、続ける。


「魔王が死んだ瞬間に溢れてるってことかな」


「魔王が死んだ瞬間?復讐か何かか?」


 ギラが小さく頷きながら目を開く。


「わからない・・・としか言いようがない」


「なら、この問題は魔王を倒した人間の問題?」


 ギラは少し考える。


「そうとも言えない。先程魔王の手下かと言う質問に頷いたが・・・最近では第三の勢力としても視野に入れているんだ」


 返ってきた答えに戸惑ってしまう。


「第三?」


「一つは人間。二つ目は魔王。そして、影」


 ギラは背もたれに深く体重を預け、続けた。


「そう考え始めたのは最近だ。 奴等と戦い、誰かが殺された事は?」


 ギラのその質問に、俺はフィーニスとクロークスをみる。

 そして頷いた。


「ある」


「なら、そいつらがある言葉を言ったりしなかったか?」


 ギラの質問に首を傾げるとニヤリと笑いながら話が続いた。


「これは私の魂だ。とか」


 その言葉に俺は目を開き、ギラを見つめる。

 その姿に何かを思ったのか、彼女はニヤリと笑う。


「その言葉を肯定した場合。本当に奴らの魂と言うことになる。だが捉え方は二つ」


「捉え方?」


「ああ。一つは。私のターゲットの魂。その人間が標的で、標的を殺すから私の魂。 二つ目は・・・正真正銘の魂」


 ギラはそう言った。


「正真正銘? どういうことだ?」


「ここからは憶測なんだが・・・影とは、私たちの何かなのではないかと」


 何か?

 何かとはなんだろう。


「言いたいことがわからない。もう少しわかりやすく頼む」


「影の正体は私たちって意味だ・・・だから・・・」


 ギラはそう言ってゆっくりと息をはく。

 次に話し始めたときは、聞き覚えのある言語だった。


「・・・・・・・・。・・・・・・・・・・?」


「影と同じ言語⁉︎」


 俺たちは立ち上がり、短剣に手を伸ばす。

 その様子を見て、彼女は大きく笑い、俺を見つめた。


「驚くな。影達の言語は私たちと同じ言語だ。 ただ、逆さまに読むだけだよ。 言葉が逆さまなんだ。なら、彼らそのものが逆さまな可能性もあり得る」


「・・・逆さま・・・」


「さぁ。もっと深い、絶望も語ろうか」


 ギラはそう言ってニヤリと笑った。

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