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ShadowSraid  作者: 鬼子
愚者共の選択編
37/98

3

 ベッドに勢いよく座る。

 柔らかな反発が体を浮かした。


「本当に全員一緒で良かったのか?」


「仕方ないでしょ。財布の中身はほぼスッカラカン。それに別に気にしないし」


 フィーニスがそう話した。


「そうか・・・ならいいか」


「なに、不満なわけ?」


 呟いた俺に、フィーニスは鋭く俺を睨む。


「いんや。確かに、金ないもんな」


 そう言いながらベッドの柔らかさを再度確かめるように寝転がる。


「明日はどう動くんだ?」


 クロークスがそう呟いた。


「そうだな。朝にしたくをすまして、昼には帝都を出よう。ルーカスが言うにはかなり距離があるみたいだしな。 早めに出た方がいいだろ」


 俺のその言葉にクロークスが頷く。

 

「じゃあ、寝るか」


 クロークスのその声で俺たちは眠りについた。


 朝、瞼を突き抜け朝日が瞳を刺す。

 目を瞑っているはずなのに明るい。


 俺はベッドから降りて、顔を洗いに洗面所に向かう。


 扉を開けると、先にフィーニスが顔を洗っていた。


「起きてたのか、早起きだな」


「まぁね。あんな地域にいたら、朝から活動しないとその日のご飯なんて得られない。最悪虫を喰むことになるわ」


 フィーニスが自身の顔をタオルで拭いながらそう話す。


「そう言うアンタも早起きじゃない?」


「冒険者は早起きなんだよ」


 俺のその発言を聞いて、つまらなそうに返事をしたフィーニスは洗面所から出て、ベッドがある方を見つめる。


「冒険者は早起き・・・ねぇ・・・」


「・・・いつだって例外はある」


 俺の言葉を鼻で笑い、何度か頷いたフィーニスは姿を消した。


 数秒後・・・


「ほらクロークス!アンタいつまで寝てんの⁉︎馬鹿なんじゃないの⁉︎」


 と、フィーニスの怒号が響いた。


 あらかたの身支度を済ませ、宿を出る。

 早朝。それもかなり早いためか、外出している人は少なかった。


 だが・・・


「こんな時間でも店は開いてるのか」


「冒険者のためよ」


 なるほど。

 今から行く人間や、帰ってきた人間のためか、それなら納得だな。


「どんな食料がいいの?」


「日持ちする・・・いや、食料は多少で、残りはポーションにしよう。オアシスグレイスでまぁまぁ稼げたし、奮発してもいいだろ、足りなくなった食料は現地調達でいいだろう」


 フィーニスの質問に答えた俺は、ゆっくりと歩き出す。


「朝ごはんはどうする?」


「そこらへんで買って食うか、あとはウロウロして入ればいいさ」


 そう言いながらあらかたの買い物を済ませる。


 時間が経ち、人が徐々に増えてくる。

 小腹が空いて店で食べ物を勝っている最中の出来事だ。


「おじさん、この串焼き三つちょうだい」


「あいよ!」


 そんな会話をしながら視線を送ると、兵士たちが何やら馬車に荷物を投げ入れている。

 それもかなり多量だ。


「なんだあれ・・・?」


 その光景を疑問に思った俺は、無意識のうちに呟いていた。

 それに店主が答える。


「あぁ、あれはオアシスグレイスに物資を運ぶんだ。昨日、グラウンドワールが討伐されたらしいからな。 それもたった3人でだ。 一体どんな冒険者なんだが、全員赤等級・・・もしかしたら黒もいたかもしれないな」


 そう店主は目を輝かせながら言った。


 串焼きを受け取り、頬張る。


「噂では、冒険者を率いていたのは黒髪で赤い瞳の冒険者らしいんだが、そんな珍しい奴早々・・・」


 店主は俺を見ながら言葉を詰まらせる。


「・・・もしかして・・・あ」


「いや、違う。 別の人間だろう。俺は銅級だし、倒せるわけがない」


 店主の言葉を遮り、可能性になりそうな要点を確実に潰していく。

 バレたらめんどくさい。


「おい、ダリア」


 その時、クロークスの声が響く。

 俺は視線をクロークスに向ける。そこには、串焼きを食べている白髪の青年が立っていた。


「どうした」


「そろそろ時間だ。早めに向かおう。 夜になれば魔物も増える」


 クロークスの言葉に頷き、歩き出す。


「方角は?」


「えっと・・・」


 俺は問うと、クロークスは懐から地図を取り出し広げて見せた。


「そんなもの持ってたのか?」


「さっき買ったんだよ! 流石に何もなしはキビィーっしょ」


 それもそうか。


「あっちだねぇ」


 クロークスが指差した方角に歩き出し、またゲートまで来る。


「このトンネルを越えれば、ウィングロストの領地か?」


「多分ね。わかんねぇけど」


 そう言って歩き出す。

 太陽が直上に迫る昼。

 天から地に落とされた島、ウィングロストに続く道に足をのせた。

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