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ShadowSraid  作者: 鬼子
炎砂の迷宮編
20/98

10

 話が終わり、クロークスが勢いよく立ち上がる。


「どうした?」


「腹が減った!! なんか食ってくる!」


 そう言ってクロークスは部屋を出ていく。

 

「・・・急すぎるだろ」


 その突飛な行動に驚きつつ、フィーニスを眺める。

 もっと注意深く見ていれば、傷は深くなかったのかもしれない。

 近いうちにフィーニスも冒険者になって恩恵を受けてもらおう。


 そうすれば・・・少しはマシになるはずだ。


「ん・・・・っ」


 その時、フィーニスから声が漏れる。

 顔を見ると、眉間に皺を寄せ、息が荒くなっている。


「うなされているのか・・・」


 そう呟いてフィーニスの手を取る。

 

「大丈夫だぞ」


「何が大丈夫なのよ」


 フィーニスが目を覚ました。

 自身の手を握っている男の顔を見つめながら、口を開く。


「で、寝ている女の子の手をニギニギしといて、何が大丈夫なのよ」


「あ、いや、うなされてたから。 てか起きたのか」


 そう言うと、フィーニスはニヤニヤしながら身体を起こす。

 体にかけられていた毛布が下に落ち、裸の上半身が露わになる。


 小さな膨らみが見え、俺は視線を逸らす。


「もう少し気を遣え」


「見られても減るもんじゃないわ」


 フィーニスはそう呟いて身体を伸ばす。

 

「動けそうか?」


「まぁね。 余裕余裕」


 彼女が後ろで跳ねているのか、背後からトントンと一定のリズムを刻む音が響く。


「よし」


 フィーニスはそう呟いた。


「どうだ。動けるなら服を買いに行って、ついでに飯でも・・・」


「デートに誘うのが下手ね、もっとクールに・・・」


「行かないのか、ならいいが」


 そう言うとフィーニスがムッとした表情をする。


「行く! 行きますとも!」


「そうか」


 そう呟き、フィーニスにローブを渡す。


「服を買うまではこれを着ていてくれ、じゃあ・・・行こうか」


 フィーニスはローブを羽織りベットから飛び降りる。


「おっとと・・・」


「大丈夫か?」


 ふらついたフィーニスの肩に手を当て、抑える。


「大丈夫大丈夫、テンキュー」


 そう言って笑うフィーニスを見つめる。

 やはり本調子じゃないのだろうか。


 あまり連れ回すのも体に響くかもしれない、ささっと回って、早めに切り上げよう。

 

「おや、どこかに行ってくるのかい?」


 その時、音を聞きつけたのか、やってきた医者の女性に声をかけられる。

 俺たち2人を治療してくれた赤髪の女性だ。


「ちょっと服を買いに」


 そういうと女性はフィーニスに視線を向け、ニヤリと笑う。


「いいじゃないか。ご主人に色々と買ってもらいな!」


「わかったわ。 さぁ、行くわよ、ご主人!」


 フィーニスが俺の手を掴み勢いよく外に出る。

 なぜだろう。態度がご主人より大きい


「さぁ、最初はどこに行くの?」


「いや、わからん。 フィーニスこそ、出身地ならわかるだろ」


 そう言うと、フィーニスは首を振る。


「いや、わからないわね。私が出てからかなり時間が経ってる。 無理よ」


 なるほど、フィーニスが出てからかなり変わってしまったと言うことか。


「なら、適当にぶらぶらするか」


「さんせーい」


 そう言ってフィーニスは先に前を歩く。


「ローブ気をつけろよ」


 後をついていくようにフィーニスの後ろを歩く。

 あ、下着も買わないといけないのか・・・なんか恥ずかしいなぁ


 しばらく歩き、人通りが多い道に出る。

 そこで目にしたのは、多種多様な獣人種だった。


 完全に獣のような見た目の人もいれば、フィーニスのように一部だけ獣っぽい人もいる。

 賑わった通りは、明るい声であふれていた。


「ここなら店とかありそうだな」


 かなりの人混みだ、フィーニスを見失わないようにしなくては


 色々な店を確認しながら、都度フィーニスを視界に入れる。

 そして・・・


「ヤッベ、完全に見失った・・・」


 小さく息を吸い、姿を探す。

 だが、背格好も似ている人が多く、なかなか見つけられない。


 だが、フィーニスが気づかないわけがない。

 俺と離れたと気づいたら名前を呼ぶはず、だとしたら何かに集中しているのだろう。


「服屋か・・・」


 服屋を探し歩いて数分。

 やっと店を見つけた。


 中に入り、姿を探すが見当たらない。


「あれ、見当違いか? ん?」


 そう呟いていると、試着室のカーテンが開く。


「あれ、ダリア? どこ行ってたのよ」


「どこじゃない。俺がお前を探してたんだ」


「つまり、迷子はあなたでしょ?」


 ん?

 そうなのか?

 迷子の子を探す親も、等しく迷子ってことか?

 まぁいいか


「それより、この服どう?」


 そう言って見せてきたのは、透き通るほど白いワンピースだった。


「可愛いんじゃないのか?」


「あら、意外としっかり言うのね」


 驚いた顔をするフィーニス


「安心しろ、俺はなんでもしっかり言うぞ」


「場合によっては傷つく返答があるかもしれない?」


「まぁな」


 フィーニスがため息を漏らす。


「後何着か選ばせて、あと・・・下着も」


 少し顔を赤らめ、恥ずかしそうに言ったフィーニスを見つめる。


「・・・好きにしろ」


「はーい!」


 そう言ってフィーニスは服を選び始めた。

 時間・・・かからないといいな。

 お金足りるかな

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