堕天使ラファエル
ルシファー(Lucifer)
ルシファーはもともと高位の天使で、しばしば「光をもたらす者」とされていました。しかし、彼の高慢さが神の怒りを買い、天から追放されました。キリスト教の伝承の中で、彼はしばしば悪魔やサタンと同一視されます。
出典: ルシファーに関する最も有名な話は、聖書ではなく、後の文学作品や伝承に由来しています。特にジョン・ミルトンの『失楽園』などの作品で詳細に描かれています。
2. サマエル(Samael)
ユダヤ神話において、サマエルはしばしば堕天使として描かれます。彼は死と破壊の天使とされ、しばしば悪魔のような存在として扱われます。
出典: サマエルに関する話は、ユダヤ教の神話やカバラの伝統の中で見られます。
3. アザゼル(Azazel)
アザゼルは、堕天した天使の一人とされ、後に荒野に追放されたとされます。彼はしばしば、人間に不道徳や反逆の知識を教えたとされています。
出典: アザゼルに関する言及は、旧約聖書の「レビ記」や、外典の「エノク書」に見られます。
4. ベリアル(Belial)
ベリアルは、しばしば悪の象徴として描かれる堕天使です。彼は無法と混沌をもたらす存在として描かれます。
出典: ベリアルに関する言及は、聖書や外典、中世の文献などに見られます。
熾天使からの使命を受け、私は神聖ザフィール国へと急いだ。しかし、心の中で奇妙な感覚が広がった。なぜなら、神聖ザフィール国はその名前からも分かるように、神と天使を最も崇拝し、信仰している国であるべきだったはずなのだ。
私が最後にこの国を訪れたのは、おそらく50年ほど前、いや、もしかしたら既に500年以上も前かもしれない。そう考えると、ため息がこぼれた。人間の卑しさは既に知っていたが、50から500年の間に、神と天使に対する信仰心がどれほど薄れることができるのか、驚きと失望が私を襲った。
さらに、最近では熾天使ルシファーを筆頭に、能天使サマエル、元首天使アザゼル、そして力天使ベリアルによって、新たな宗教勢力とも呼べる邪教が広まっていた。まず、人類と最も関わりの深い元首天使アザゼルが、人間たちに不道徳で反逆的な知識を教えたと伝えられている。そして能天使サマエル、彼女は他者の生を奪い、物を破壊する快楽を教えることで、人間の内に残虐性を植え付けた。
熾天使ルシファーは、邪教の信仰の象徴としての役割を果たすべく、人間に近い姿に変身した。しかし、彼の姿には人間の顔に滲み出る卑しさが一切なく、純粋さと高貴さが溢れていた。
そして、力天使ベリアルはこれらの堕天使たちの活動をサポートしたと言われているが、具体的に何を行ったのかは不明だった。実際、堕天使となる前の彼らがどのような活動をしていたのか、どのような姿を持っていたのかさえも、天界では知る者がいなかった。
神聖ザフィール国に到着すると、私は表面上は歓迎された。大司教の命により、神と天使への信仰を示す儀式が執り行われたが、司教たちの顔には何かを隠しているような空虚さがあった。私は心の奥で不安を感じながら、この国で何が起きているのかを探る決意を固めた。
突然、一人の司教が前に出てきて異様な行動を始めた。
「堕天使ラファエル様、ばんざぁぁぁぁぁぁいいいいい!!!」と叫びながら、彼は自分の首を短刀で切り落とした。その衝撃的な行動に、私の心は恐怖と混乱で満たされた。他の司教たちも同様に自らの首を切り、彼らの血は地面に掘られた六芒星の魔法陣に流れ込んでいった。
「だめ!?」と叫んだ私の言葉は空しく、儀式は既に成功してしまっていた。箱からは勇気、災厄、病気、苦痛そして魔物が下界へと解き放たれた、瞬く間に国は混乱と恐怖に包まれた。
するとそこへ聞きなれた声がした。
「ラファエルよ!!!何をしているのかわかっているのか?!」
ミカエルだった、彼の顔は怒りに満ちていて私を責め立てた。ミカエルはザフィール国の民に話しかける。
「人の子らよ、聞けい!ラファエルは堕天した!彼女はこの開けてはならない封印されていた禁断の箱を儀式によって開けた!」
ザフィール国の民は未だになにが起きているかわからない呆然とした顔をしていたがミカエルは補足説明した。
「この箱には数々負の遺産として厄災、病気そして苦痛が封印されていたがラファエルは教会の司教たちをたぶらかし、そして洗脳した!」
勿論私はそんなことを企んでなどいない私は視線をガブリエルに向けた、彼ならばいつものように私を助けてくれるのではないかと。しかしそんな私の期待は裏切られた。
「ごめんラファエル、僕じゃあどうしようもできない……」
ガブリエルは心苦しそうにそして気まずいのか私とは目を合わせなかった。さすがのガブリエルも、今この惨状から私が犯人ではないと否定するための材料がないためそうしたと私は思った。
ミカエルも同様だ。彼は意外と話の通じる人なのだが基本的には頭が固く、説得するにはかなりの時間が必要だ。それに今の現場は確かにどう見ても私が首謀者にしか見えない。
補足するようにミカエルが仰々しくザフィール国の人民に問いただした。
「主はラファエルの野望にいち早く気付き我らを派遣したがどうやら少し遅かったようだ……」
悔しそうにミカエルは目を閉じて拳を握った。
「しかし誓おう!我らは必ず大天使ラファエル、いや堕天使ラファエルを捉えて相応の罰を与えると!人の子らよ、それを叶えるためにどうかっ……どうか手を貸してくれないか?!」
ミカエルがそう問うとザフィール国の民はそれに呼応した!
「うおおおおおおおおおおおおッ」
「堕天使ラファエル!決して許せないッ……」
「返してよっ!わたしの子供たちを返してよ!」
「許さないッ、絶対に殺してやる!」
ザフィールの民は罵詈雑言を私に浴びせた。肌でも感じるほどに人間たちの殺意は凄まじかった。
無駄かもしれないがわたしは反論を試みた。
「ふざけないで!証拠はあるの!?証拠はっ!?」
それに対してミカエルが声を荒げて答える。
「証拠?この騒ぎが証拠であろう、見苦しいぞラファエル。」
怒り心頭のミカエルは簡単にわたしを論破した。彼に対して怒りをおぼえたわたしは続けて説いた。
「そもそも動機はなんなのよ!?こんなことをしてわたしに何の利益があるの!?」
ミカエルが「とぼけるなっ!」と私を怒鳴った。
「動機?神への反逆であろう、熾天使様たちは知っておったぞ。お前、堕天使ベリアルと密会してたであろう。悪魔の匂いが臭くて堪らなかったと熾天使様たちはおっしゃられておったぞ!」
それを皮切りにミカエルとガブリエル、そしてザフィール国の民はわたしに対して攻撃を始めた。私は狙われ、命を狙われたが、何とか一命を取り留めた。
しかしその後、ミカエルとガブリエルは他の国にも訪れ人々に対して神聖な神の僕であったわたしが悪魔に魅了され堕天し、神、そして人類の敵となったと宣言した。満身創痍で逃げ惑いなんとか身を隠せる場所を見つけたがその場所には見覚えがあった。
そこはわたしがそれとであった場所、奇しくもあの時と同じようにわたしの目は空に釘付けになった。そこに、黒く広がる翼を持つ神秘的な存在が浮かんでいた。
堕天使ベリアルがそこに変わらずにいた。そこでわたしの意識は途絶えた。
この創作小説はいろんな違う神話の登場人物が組み込まれてます。そしてその登場人物たちの性格などは物語を進むうえ必要に応じてかえられているので神話で語られている登場人物の性格とはかなりことなります。設定もかなりかえられているのでご了承ください。
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