【小説家になりたい】
【中学生作家 平山ツカサ】
「ねえ兄ちゃん、俺小説家になろうと思うんだけど。」
どうせそんな言葉明日にはどうにかなってしまうんだろうが、ちょっと遠くの本屋で買った【このライトノベルが面白い!】的な青春恋愛モノのラノベを読みながら言った。
「へえ、なればいいじゃん。ていうかお前昨日警察官になりたいとか言ってなかったっけ?そんなコロコロ変わってちゃ本当の夢見つからないよ。」
うぐっ.......。
解っている。解っているのだ。でもほら中学生男子たるものラノベ作家になりたいって絶対思う。思わない?
そんなことを脳内で自問自答していた。
「まあ俺もそんな事考えてた時期あったなあ。でもそんな仕事稼げなさそうだと思ったからやめたよ。」
意外だった。普通の体型、普通の顔、メガネということ以外印象のない兄でもそんな事を考えていたのだと思うと彼も男の子なんだろう。ここまで普通に会話しているが、俺はまともに兄と会話をしたことがなかった。
そりゃ2~3歳くらいの時は会話をしていたのかもしれないが、6歳も歳が離れていると自然と会話がしなくなるのだろう。兄じゃなくて姉だったら変わったのかもしれないね!そんなわけでこの会話は俺にとって新鮮だった。少し話が戻るが兄の「そんな仕事稼げなさそう」という言葉。実はそれについて調べたことがある。ラノベ作家は会社に勤めながら稼ぐ方法。頑張って専業でいく方法。バイトとかをしながら生きていく。色んなやり方があるらしい。そこに3つの作家がいるじゃろ?ひとつ選んでいいぞ。
【社畜作家】 【ニート作家】 【バイトでギリギリ作家】
ふぇぇ.......。どれもいやだよお
だから作家で稼ぐのは一人で生きていくのでギリギリらしい。だがそれ以上に魅力がある。1つは何を学んでいてもなれる職業ということ。元々医者だったら医療ミステリーとかが書けるし、プログラマーとかだったらそれに基づいたモノが書ける。2つ目は多くの人々に感動を与える事ができるのだ。ソースは俺。
過去の記憶を思い出していると兄は言う。
「ラノベって応募とかして新人賞とか取れば出せるんだろ?今から勉強すればイけるんじゃね?あっそうだ」
兄はガサゴソと箱から真新しいPCを取り出し俺に渡した。
「なにこれ?」
「俺が前買って貰ったパソコン。使おうとも思ってたんだけど俺違うの買ってたからお前にやるよ。」
「良いの?」
「良いよ。お前の顔。今まさに小説家って顔してるぜ。」
どうやら俺は顔が小説家らしい。顔から入ってもなあ……。そういやペンネームってどうするんだろ。自分の名前ちょっといじるか。そうだなあ。司、ツカサ、そうだツカサにしよう。平山ツカサ。
[完]
初投稿の若造です。至らぬ点や言葉使いのおかしいところは許してやってくだせえ。