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ギザギザ
その日の夕方、上機嫌の矢本が綾重を呼び出す。
「いや、お礼とかいいですよ」
「おまえがいなけりゃ負けてた。借りをつくるわけにいかねえだろ」
「それじゃ、ギザ十ってご存じですか?」
「古い十円玉で、まわりにギザギザの溝が彫ってあるやつか?」
「あれ、好きなんで。あったらください」
「そんなもんでいいなら、部員全員に集めさせるからよ」
矢本が練習場へと走り去る。
「幸せそうだこと」
綾重は右手の人さし指をひねって顔をしかめる。
その日の夕方、上機嫌の矢本が綾重を呼び出す。
「いや、お礼とかいいですよ」
「おまえがいなけりゃ負けてた。借りをつくるわけにいかねえだろ」
「それじゃ、ギザ十ってご存じですか?」
「古い十円玉で、まわりにギザギザの溝が彫ってあるやつか?」
「あれ、好きなんで。あったらください」
「そんなもんでいいなら、部員全員に集めさせるからよ」
矢本が練習場へと走り去る。
「幸せそうだこと」
綾重は右手の人さし指をひねって顔をしかめる。
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