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ちょっとした詩の数々〜息抜き短編集〜

作者: 神城弥生

神はシンフォニーを奏で僕らは傷ついた民

月は太陽に借りをつくり、僕らは大地に借りをつくった

逃げ道は必要みたいだ

緊張感も渇望も、罪も罰も、お前の恩着せがまさも、もううんざりだ

郵便番号の為に無理したくはない

重力には逆らえないから

断ち切って旗を掲げろ

今度は僕らが歌を歌おう


ママが言ってた、走ったら危ない怪我をしてしまうよと

だが僕は耳を貸さなかった、怪我をしないと痛みを伴わないと分からないらしい

敷かれたレールの上を走らなかった

人は傷つきながら強くなっていく

人は皆失敗をして学んでいく

人はそれでも旗を掲げて進んでく

人はそれでも生きていく


瞳に映るのは暗い闇

孤独で残酷なこの世界から切り離され本能は逃げろと告げ

君は記憶と故郷を手放し歴史の闇に消える

だけど忘れないで、君は一人じゃない

愛さえあれば人は優しくなれるから

お前は愛されているから

心の声を聴け

天使の歌声を聞いて

そうすればまたあの家に帰れるから


僕は自分の邪心とダンスしている

君とはもう踊りたくないのに

今日も気づけば手をとり

君の手にキスをしている

ワルツを踊り流れる音楽に身を任せる

目が回りそうだ

いい加減話して開放してほしい

何故君は僕にまとわりつくんだ

同じことの繰り返しだ

そろそろ決別しよう

前に進みたいんだ


声にならず涙は枯れ

季節は色を変えようとも

変わることのないこの想い

君の声だけがずっと響いている

壊れた砂時計を拾い集め

流れる砂を見つめ

花はいつの間にか枯れ

窓辺に静かにたたずんでいる

時の流れに逆らいながら

僕は愛を叫んだ

想いははるか彼方へ

君の笑顔を求めて


暗く静かな海の中を

僕は今も歩いている

息の仕方を忘れ

静かに波に揺られ

時計の針は止まったまま

静かに瞳を閉じて

流れに身をまかせるしかなくて

本当は分かっていたんだす

だけど時間はもう戻らなくて

全ては泡のように浮かんで弾ける

きらめく季節は遥か彼方へ


悲しみさえ見失い

あなたの眼差しさえ

もう思い出せない

繰り返す歴史の中で

少女は飲まれ

何が愛なのか

痛みなのかさえわからない

降り注ぐ闇の彼方へ

力もなく叫び続ける

だれにも届かぬこの想いよ

神さえさえ見捨てたこの地に響け


君と出会って愛を知り

君と出会って希望をしり

君と出会って温もりを知り

君と出会って恐怖を知った

君の笑顔に救われ

君の温もりに癒された

泣かないで

愛しているよ

だからここで別れよう

いつまでも君の幸せを祈っています

どうか僕の事は忘れてお幸せに


音は雪と溶け合い

手を繋いでダンスをする

雨はリズムを奏で

ぴょんぴょん跳ねて遊んでる

風は激しく木の葉を揺らし

皆で楽しく手を叩く

桜が舞い花は咲き

そして疲れて眠りにつく

季節は移り変わろうとも

君の音は変わらない

音は暖かく包み込んで

今日も僕らはキスをする


ようこそいらっしゃいませ

ここでは皆が狂う場所

苦手な方はお帰り下さい

激しく溶け合い飲まれていく

一度味わったらもう逃げられない

甘い果実より甘く悪魔より恐ろしい

ここでは皆が虜になる

幸福と快楽と混沌の世界

血を滴らせ狂うように踊る

ブラッドバスがダンスフロア

それができない方はお帰りください

本日はありがとうございました

ママのおっぱい吸ってお休みなさい


古い俺に別れを言わせろ

古い考えに別れを告げろ

二度と帰ってくるな

もう何も感じない

そんな感覚は嫌だ

お前は言葉では愛してるといい

視線は遥か彼方

お前のために必死にやってきた

いい奴を演じるのは疲れた

俺を窒息させてるのがわかるか

俺は俺らしくありたいんだ

ただそれだけなんだ


今終幕を迎える

初めての感覚だ

誰もが通る道

だけど誰もが初めて

今だから分かる

魂は世界と溶け合うんだ

一つに帰るんだ

見える景色は誰のものでもない

今だから分かる

私の人生は

あなたを愛するためにあったんだ

今私は世界に帰る

一つに帰るんだ


紐解かれていく心

もう戻れなくなりそうだ

背徳感が程よいスパイス

抑えきれない欲望

飲み込まれていく快楽

偽物だったはずなのに

指先は滑らかに

舌は絡み合い

吐息は混じり合う

ちょっとした遊びだった

火遊びだったはずなのに

もう逃げられなさそうだ

夢なら覚めて

深い眠りから覚めないで


吐息は夜空と混じり合い

振り返れば二人の足跡

空気は澄んで心が現れる

アネモネが咲き誇り

雪が二人を包み込む

冷たい手を取り合い

白いキャンパスに絵を描く

いつまでも二人寄り添い

歩いて行こうね

星は瞬き二人を照らし

僕らは光の中を歩いていく


窓の隙間から差し込む光

キッチンには空いた一つの椅子

そこにあった笑顔を

そこに積もった幸せを

光はそっと包み込む

空には億千の星が降り注ぎ

世界を覆い尽くしている

その一つがなくなろうとも

誰も気付きはしないだろう

世界はそれでも回り続け

沢山の幸せを運んでる

たとえ消えた光が

僕であったとしても


俺のプライドはズタズタだ

もう耐えられない

お前は自分が正しいと

信じて疑わない

俺の人生を奪うお前は

自分を偽らなければならない

この世界のことは忘れよう

誰かがお前を殺してしまう

時間を盗み精神を噛み砕く

もうたくさんだ

逃げ道は必要みたいだ

さっさとどっかに行け


一万の戦いの中で

一万の約束の中で

一万の負け方を知った

僕は無力だったんだ

だけど戦い続けた

戦うことは怖い事だから

怖い事から逃げない事が

戦うという事だから

僕は無力だけど

まだ終わったわけじゃない

何度だって立ち上がって見せるさ

何度だって


始まりが簡単じゃない時も

終わりが簡単じゃない時もある

答えが欲しかったわけじゃない

ただ話合いたかった

そばに居たかっただけなんだ

答えが見つからない時だって

言葉が見つからないときだってある

時間が欲しいだけなのに


僕はヒーローになりたかった

おとぎ話の中の様な

空を飛んで、力持ちで

みんなを守れる存在に

君はただ隣にいればいい

優しくしてくれればいいと

キスして抱きしめてくれればいいと言う

君はなぜ戦うのか問う

僕は英雄になりたいと答える

君には理解できないかもしれない

僕は理解しようとしない


真っ白な壁に色を塗る

小さく、小さくだけど

だけど凄く目立つんだ

すごく気になってしまう

その色を隠すためにまた色を塗る

小さく、小さくだけど

どんどん大きくなっていく

いつの間にか止められなくなって

隠しきれなくなって

壁はいつの間にか

真っ赤に染まってしまったんだ


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