#2 魔族を見る
異世界じゃけど?異世界じゃけど?異世界じゃけど?
その言葉が俺の中でループする。
え?まって異世界?まじかぁ俺もよく見た異世界ものの主人公になった訳か……
「あれ?意外と驚かないんじゃなー。面白くないのー、」
「うん。まぁ、なんかもう異世界来ちゃってるし。」
「冷めとるのー。」
「それで!ここはいったいどこなんだ?」
「あぁ忘れとった!ここはの異世界の魔族の城じゃ。」
魔族の城??でも俺普通の人間の子供だよな。この世界じゃ魔族と人間は仲がいいのか?いやもしかしたら見た目は人間だけど俺も魔族なのかも?あぁもう!謎が多すぎる!!
「まぁそう慌てるでない。いつかはわかる事じゃ。それじゃわしはこの辺で。そろそろ時間なのでな。」
「えっ、ちょっおいっ!まt―――
そんな事を言い終える前に猫は消えてしまった。
「ったく!何なんだよ!」
はぁ。とにかく騒いでいても仕方が無いか……今は状況を整理するのが先だ。
まずは自分の姿を見たいんだが……どうしよう。
部屋を見渡すと鏡らしきものがあった。
しかし問題があった。鏡の位置が高いのだ。壁にくっついていて身長190位はないと見えないくらいだ。
ていうか高すぎねぇか?!
あんなのどうやって使うんだよ?!!
何とか箱を使って登るしかないか。
お!丁度いい所に木箱が!あのサイズなら俺でも行けるかも。
箱を押して見ると意外と重い。
「クソッ!意外と重いな……」
ドンッ
「あっ」
バタバタバ―――
本棚を倒してしまった。
ドタドタドタ
物凄い勢いでこちらへ近付いてくる。
バンッ
勢いよく扉が開いた
「坊っちゃま!」
そこに現れたのは肌が薄紫色で背中に黒い羽が生えためちゃくちゃデカい女だった。女は俺を見下しながら今にも人を殺しそうな目をしている。
「坊っちゃま!大丈夫で御座いますか?!」
俺は顔を真っ青にして倒れた。