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彼と金と  作者: オト
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8


朝起きてみると、珍しくメールが1件。言わずもがな、朝霧飛鳥だ。


『みゆちゃんおはよう。朝霧飛鳥です。登録よろしくね』


うーん...

なんと返すべきか。期限は短いし、ここは積極的に彼をご飯にでも誘ってみるべきか。けど出会った次の日にそんながっついてたら引くかな...。うん、誘うのはもう少し仲良くなってからにしよう。


『おはようございます。メールありがとうございました。登録しました。これからよろしくお願いします』


よし、これでいっか。

飾り気も可愛げもない文章だけど、目指せ清楚!だもんね。これくらいが丁度良いでしょ。


送信っ、と。


ふぅー。メールひとつ返信するのにもめちゃくちゃ気使うな。めんどくさい。


よし、今日も元気にバイトだー。がんばるぞー。と、気合を入れながら立ち上がった瞬間、手の中のケータイが震えた。


「うぉっ、びっくりした...。こんな朝早くからだれ、って、朝霧飛鳥!?返信はやっ!」


『よければ今日、夜ごはん一緒にどうかな?』


おおおお!?なんと!王子の方から誘ってくれるとは...。


『私でよければ喜んで』


...うーん、素っ気ないかな...

恋愛なにそれおいしいの?みたいな感じで今まで生きてきたし、モテメールとか分からん。


あ、時間やばい!バイト遅刻する!


慌てて何もついてない無味無臭の食パンを咥え、家を飛び出す。8枚切り108円のお買い得食パンにはいつもお世話になっている。


行儀悪く食パンをもぐもぐしながら走る私は、もうすでに朝霧飛鳥のことはきれいさっぱり忘れていた。







....そう、忘れていた。





掛け持ちしている二つのバイトが終わりすっかり暗くなった頃、私はケータイを見て、やっと朝霧飛鳥のことを思い出したのだった。


メール7件着信13件。



やばい。

やっちまった。


恐る恐るメールを開いてみると、

『うれしいな。何時待ち合わせにする?何が食べたい?』

『特に食べたい物が無いのなら、僕のオススメのお店でいいかな?』

『今忙しいのかな?返信待ってるね』

『なにかあった?連絡ください』

『電話出て?』

『ケータイ落としちゃったのかな?』

『心配でみゆちゃんの家まで来てみたんだけど、何号室か分からないからエントランスで待ってるね』



ま じ か 。


まずいまずいまずい、なんか色々とまずすぎて冷や汗止まんないけどとりあえず返信せねば。


っていうか朝霧飛鳥暇なの!?なんでこんなにメール送ってくんの!?挙げ句の果てに家まで来てるとか!

しかもそこ、本当は私の家じゃないからね!!


ぁぁぁあ、ちがうちがう

まず返信返信。



『バイト中でケータイ見ることが出来ませんでした。心配させてしまってごめんなさい』


よし、送信。




なかなか更新できず、すみません。

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