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ジャンル別日間ランキング入りし、している~!30位!
まさかの事態に目を剥きました。ブックマークもたくさんでとてもうれしいです!ありがとうございます!
「…」
なんと答えるべきか。夜の公園に来た理由はそんなではないものの、結局ソレをしようとしていたのもまた事実…。一瞬なんと返事をすべきか迷ったものの、馬鹿正直に答える必要もない。
「いえ、助かりました。ありがとうございました」
「そっか、それならよかった。でも、ちょっと残念」
「え、」
「もし君がそれ目当てだったなら、僕が買ってあげたかったな。なんてね」
は?
こ、これは冗談だと分かっていても少し照れる。いや、照れるところなのか?これは。
爆弾発言をかました張本人はうろたえる私を見ながら、相も変わらず美しい微笑みを浮かべている。出会ってから10分ほどたっているが、彼はほぼずっと微笑んでいる。表情筋疲れないのかな。
「…えーと、あの、本当にありがとうございました。では」
結局なんと言葉を返していいか分からなかったので、さっさと帰ることにした。彼に背を向けて歩き出そうとした、が、誰かに右腕を掴まれ動きが止まった。まぁ、この場には私と彼しかいないので必然的に彼ということになるが。
「…なんでしょーか…」
もうさっさと帰りたい。なんか色々と疲れた。
「家まで送る。あぶないから」
いや、勘弁して。ほんとあなたとこれ以上話す元気は私にはないんです…。どうせここから歩いて家まで5分もないのだ。
「大丈夫です。家、すぐそこですから」
「送る。あと、名前を教えて。連絡先も」
なぜ…
私の個人情報を聞いてどうするつもりなんだ、この人は。私に惚れたとか?いや、ないわ。こんなきれいな人が私に惚れるとか、どんな生命の神秘だよ。タコとクマが結婚してアサリを生むくらいにありえないわ。なんだこの変な例え、って感じだが、それくらいあり得ない。
…………逃げよう
私は彼の右上の何もない空間を見つめ、
「あーーーーー!!!」
叫んだ。
そして彼がひるんだすきに全速力で走って逃げた。
アパートにつき、玄関先に座り込んで乱れた息を整える。
今日はほんと、疲れた。お風呂入ってさっさと寝よう。明日も朝からバイトだ。借金のことはまた明日考えよう。いざとなったら売春でもキャバでもイメ○ラでも何でもやってやる。
大切な弟を、たった一人の家族を守るためなら。
きりがいいのでここで切ったのですが、みじかくてすみません!