表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼と金と  作者: オト
10/11

10


「さて、と。じゃあ出発するね。シートベルト付けた?」


「あ、はい。大丈夫です」


私がそう言うと、朝霧飛鳥はエンジンをかけかっこよくハンドルをきった。いやー、イケメンは何やっても様になるね。うらやましい。


ポツポツと他愛ない話をしながら走り続けること数分。車は都心の高級ホテルの地下駐車場で止まった。


...いやいやいやいや。まじ?

確かに王子のオススメの店とは言っていたけれども。私にはあまりに敷居が高くないか?今日着てる服、近所の古着屋のバーゲンで買ったやつだよ?こんな格好でこのホテル入ったら、あまりにも場違いすぎるでしょ。公開処刑...


呆然とホテルを見上げることしかできない。


「どうかした?ここじゃ気に入らなかったかな?」


私の表情から嫌がってると思ったのか、王子は少し眉根を下げ、申し訳なさそうに聞いてくる。


「そんなことありません!ただ...私のこの格好で大丈夫なのかな、って心配で」


っていうかホテル側に嫌がられそうだわ...。追い出されたらどうしよ。


「なんだ、そんなことを気にしていたの。大丈夫だよ、個室だから安心して」


個室!さ、さすが金持ち...。


「それに、今日の格好も可愛いよ。みゆちゃんはどんな格好しててもとっても可愛い」


「!!?」


な、ななな、何を言ってるんだこの人は!不意打ちすぎる!やばいやばい、絶対顔赤くなってる!そうゆうの免疫ないんだからからかうのや〜め〜て〜!


「さ、行こっか」


顔を真っ赤にしてあたふたしている私を見て小さく笑った後、王子はエスコートするように私の腕と腰を優しく引いた。


エレベーターで20階まで上がると、扉が開いた先にスタッフさんがいた。


「朝霧様、お待ちしておりました。いつもの席をご用意してございます」


「ありがとう。みゆちゃんこっち」


「は、はい」


高級感溢れる空間に怯みながらも、なんとか王子について行く。

一際豪奢な扉を開け中に入ると、生まれて初めて見ような、ここはどっかのお城かってくらい煌びやかな空間だった。お、落ち着かないんですけど。


前菜やらメインやらスープやらパンやらが順々に運ばれてくる。そのどれもがとんでもないくらい高級なモノなんだろうけど、もはや緊張で味なんてよく分からない。


なんとか食べ終わり、朝霧飛鳥に家(と偽ったマンション)まで送ってもらった。


朝霧飛鳥がなんか色々言ってた気がするけど、食べるのに必死でよく聞いてなかった...。

っていうか、もう、...無理じゃね?

今日一緒にいて、朝霧飛鳥とは生きている世界が違うと嫌という程感じた。こんな男を惚れさせるとか、無理。無理だ。


「楽しかったね。また一緒に出かけよう」


朝霧飛鳥は爽やかに笑ってそう言ったけれど、ろくな反応も返せなかった私といて楽しかったわけがない。絶対社交辞令だよね。


「はい、ぜひ...」


そんな日は来ないだろうけど。


「ほんと?じゃあ明日も一緒に遊ぼう?」


「え」


「だめ...かな?」


え、ええ!?マジか...。社交辞令じゃなかったの!?


「いえ!大丈夫です!明日オッケーです!」


「そっか、よかった」


...分からない。こんな私と一緒に遊びたがるなんて、一体何が目当てなんだ。美人に飽きたとか...?たまには珍味も食べてみるかって感じなのか?

でもまぁ好都合っちゃ好都合。よし!これをチャンスにがんばるんだ!


明日がんばるぞー!!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ