原罪と透明。
いつもの朝が訪れるはずの
深く沈む週末の夜
瞼に映った光は
朝日ではなかった。
同じ色した眩しさは
瞬きの数ごとに夢の輪郭があり
決して朝が来ない事を知らせる。
雨が走り抜け
夜が音を消し
もう目覚めない私の身体を
私は愛しく想う。
夜を這う蟲の足音に良く似た
赤ん坊の鳴き声が
耳と脳の間に溜まりる時
私の指先に夜の始まりがある。
私は何も知らないのだ。
無知が罪な事すら知らないのだ。
誰が私を恨むのかを
私は知らないのだ。
その赤ん坊は
私の赤ん坊なのか
私は知らないのだ。
夜に映った光は
赤ん坊が見た絶望。
その恨みが
私を生かしている希望。
今、雨の匂いがしたわ。