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ジュリア  作者: れんこんまんじゅう
1/1

世界

世界が終わることなんて、

あの人にとってはどうでもいいことだろう。

私はずっと恋焦がれていた。

あの人の真っ直ぐな瞳が好きだった。

サラサラの黒髪を一途にただ愛していた。


あの人は、私を置いて死んだ。

その命と引き換えに、3万もの人々を救った。

私も、その中の一人だった。

あの人は天才だった。

世界一の頭脳を持ちながら、感情を知らなかった。

己の命が消えるその瞬間まで。

いいえ、人々を救おうと走る己の足を考えて。

力無く、己を愛してくれた女を抱き締めた。

世界が終わり、地球が消えて、

あの人が死を迎えた時

私はあの人の腕の中には居なかった。



名を 市川 新生

太陽に呑まれた地球から3万の人間を

彼の作った新しい『世界』へと転送し、

その命を以て 地球の再生へと尽くした。

3年。

それが彼が私達に与えた期限だった。

己の命、地球の再生 、全てに置いて

三年が限界だと判断し、〝そうした〟。

新世界〝ジュリア〟

それが今私達が生きている世界である。

だけどこの世界は長く持たない。

新生さんの命と技術が消える前に、

私が新生さんの意志を継ぐ。


キー は3つ。


この世界のどこかにあるだろう、

『スピリチュア』を見つける事。


プログラムピクシー

『SINON』を見つける事。


最後は、

その二つを以て私が

『選ばれた』人に討たれる事。





新生さん。


見ていますか?

私を最後の鍵にしてくれてありがとう

簡単に殺せないように

私にプログラムを施したのは

貴方の愛だと思っていいですか?


泣き叫ぶ人 可笑しくなる人 様々にいる

必然だった。

死したと思ったその瞬間、

瞬きをすれば知らない土地で息をしているのだから。


新生さん


愛してます新生さん


必ず貴方の最後の仕事

叶えてみせます 新生さん




『聞きなさい

私はジュリア

此処は私の作り上げた異空間である

嘘でも夢でもない

元の世界に帰りたいのならば

私を殺しに来なさい

『剣術』も『魔法』もこの世界では使える

…憎むべきは私の名である

恨むのは、私の命である。

3年。

時がすぎれば皆殺す!

待っているぞ!お前たちに殺される

その日を私は待っている。


私の名は、ジュリアである。』




新生さん


愛してくれてありがとう










ありがとう





たったひとつ

貴方の熱を知った最後の包容

一度しか呼んでくれなかった

もう一度だけ呼んで欲しい


珠璃、と。





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