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靴
300文字小説です。
「このレースに参加するためだけに、この靴を買ったんだ。がんばらなくっちゃ!」
ぼくは視線を落として真新しいランニングシューズを見た。
靴底は薄く。
素足と同じ感覚で走れるにもかかわらず。
耐久性に優れていて。
長距離を走っても磨耗しにくいのだ。
スタート地点に、ぞろぞろとランナーが集まる。
空に向かって、ピストルが撃たれた。わっと選手が散る。
スタートダッシュこそ失敗したものの、気が付いたらぼくが首位になっていた。
「よしよし、これはイケるぞ!」
と、悦にひたったのも束の間。
信じがたい光景に、ぼくは足を止めることになる。
「砂利道じゃないか。これは走れないよ」
靴底が薄く、素足の感覚で走れるため。
砂利道は天敵だった。
メリークリスマスイブ♪
ちなみにクリスマスは仕事です(泣)。




