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掌編小説集  作者: オリンポス
贅沢品
25/32

絵画

「ほお、これはすごい絵画ですな」


 自宅の地下室に鑑定士と絵画に疎い友人を招くと、鑑定士は少年のように目を輝かせた。


「これほどまでに保存状態の良い物は見たことがない」


「本当ですか?」

 友人は興奮気味の顔を向けて、「ぜひ買い取らせてくれ」と私に懇願した。


 私は鑑定士の出した差定額をそのまま売値にして、友人に譲った。


 後日。

 友人は私に贋作を売りつけたなと、文句をつけに来た。


 初めはなんのことかわからなかったが、友人宅を訪問してようやく理解した。


「絵の値段が大暴落したんだ」


 日の当たるところに例の絵が飾られている。


「絵画は強い光に当たると、色褪せてダメになるんだよ」


 友人はムンクの叫びのような表情になった。


「今の顔の方が、よっぽど『絵』になってるよ」

美術館の照明が薄暗いのは、このためなんです。

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