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ゴロ・フライ
文字数の関係で2話連続掲載というかたちをとりました。
【ゴロ】
「いよっし! ボテボテのゴロだ。セカンド、焦らずに一塁へ送球しろ!」
監督はベンチから立ち上がって、声を張り上げた。
だがセカンドは捕球すらせずにその場にうずくまっている。
「どうしたんだ?」
監督が訊くと、
「ぼくのお腹の調子もゴロなんです。ゴロゴロなんです」
セカンドは苦しそうに答えた。
「腹下りかよ」
監督が指摘すると、
「いいえ、尻上がりです」
セカンドの選手は抗議した。
【フライ】
「いやー、上手にあげたな」
客席でみていたぼくは、感心したようにそう言った。
「これなら見事なタッチアップが期待できるぞ」
さくっと一口かじる。
「うまい! もう一品追加!」
えびフライがさらにもう一点プラスされる。
「毎度あり!」
定食屋の店長は今日もうまくフライを揚げていた。
最近ハマっている野球漫画は、ちばあきお先生の「キャプテン」です。
絵は下手で、中身は薄い……。でも、好きになる。
それがキャプテンの魅力です。