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掌編小説集  作者: オリンポス
ぼうかんたいさく
17/32

中学生

 梅雨の時期。

 私はまたしても祖母の実家に連れてこられた。


 私はもう中学生になっていた。

 カレシもいる。プライベート空間もある。だからいい加減こういうのは勘弁してほしかった。


 そんな私の気も知らず、祖母は口を開いた。鍵盤のようにところどころ歯が黒かった。


「この頃は市の条例で、ぼうかんたいさくを推し進めておるようじゃから、出歩くときは気をつけなしゃれ」


 ぼうかんたいさく?

 ぼうかんたいさくと聞いて、私は『暴漢対策』と脳内変換した。


 この辺はそういうひとが多いのだろうか?


「うんわかった帰り遅くなるから心配しないで」


 読点もつけずに。

 早口言葉みたいに発音して、私は買い物に出かけた。


 新潟はお米はおいしいけど、遊ぶところがほとんどない。

 レジャー施設がほとんどないのだ。


 正直つまんなかった。




 喫茶店で時間をつぶしていたら、夕暮れになった。


 私は店から出て、家に帰ろうとした。


 すると。

 いかにもいじめられっ子みたいな顔をした高校生くらいの男の子が、彼のクラスメイトと思われる男子生徒にカツアゲされていた。


 いちいちかかわんのも、めんどくさいしなー。

 私は見てみぬふりをした。

 交番は近くにあったが、構わずに電車に乗り込んだ。

 

 ポン、と肩を叩かれた。

 振り向くと警察官がいた。


「条例違反です。傍観対策に違反したため、罰金を頂戴します」


 この市では、犯罪に対する傍観が禁止されているようだった。

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