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掌編小説集  作者: オリンポス
ぼうかんたいさく
16/32

小学生

過去の連載小説と比べると、これは意外と長命かもしれません。

たかがショートショート、されどショートショート。

継続は力なりです。

 小学生の私は、両親といっしょにおばあちゃんの家に遊びに来ていた。

 おばあちゃんは温厚な性格だが、おじいちゃんを亡くして寂しくしているので、私たちはこうしてたまに顔を出さなければいけないのだ。


「梅雨の時期は寒暖差が激しいから、ぼうかんたいさくはきちんとしなさいよ」


 私はおばあちゃんに言われた。


 梅雨ってなーにと尋ねると、雨がいっぱい降るお天気だよと教えられた。

 私の住む東京ではすでに梅雨は終えていたので、まだ続いている地域があってビックリした。

 おかげでおばあちゃんのいる新潟は、いつも雨が降っているイメージしかない。


「ぼうかんたいさくってなーに?」

「寒くない格好をすることだよ」

「うん、わかった」


 私はカーディガンを羽織り、濡れ縁に出て、空を見上げた。

 雨粒は途切れることなく降り続いている。

 雨はお空が泣いているから、降るのかなーと思った。


「あやめちゃーん」


 おばあちゃんに呼ばれた。


 用件を聞いてみると、近所のスーパーに買い出しに行ってきてほしいとのことだった。

 私は買い物袋と、あるものを渡された。

 これもぼうかんたいさくで使うものだった。

 使い方をひととおり教えてもらって、それから出発することにした。


 買い物を終えて帰る途中、若い女性が襲われているのを目撃した。

 襲っているのは若い男たちだった。

 寒くて襲っているのだろうか。

 衣服を見ても薄着だし、傘も持っていない。

 どうやらぼうかんたいさくをしていなかったようだ。


「おじさんたち、寒いの?」

「うるせー、あっちへ行け!」


 蹴られた。


 私はおばあちゃんに言われた通り、買い物袋といっしょにもらっていたスプレー缶を噴霧した。スプレー缶の名前は催涙スプレーというらしい。

 若い女性も加勢してくれた。

 おじさんたちは、お空のように泣きながら逃げていった。


 よくわからないけど、助けてあげた若い女性が言うには、私がした行為もぼうかんたいさくというらしい。

新潟県は年間で、4分の1以下しか晴天日がないらしい。

1日中晴れている日は、80日あるかないかくらい。さすがコメどころ新潟。


コシヒカリは世界一おいしいですが、TPPの関係で需要が減ってきそう。

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