11/32
嫌われている人
作者初の200文字小説です。
好かれている人と合わせて読むと、より楽しめます。
「俺様の企画書を見れるだけ、光栄に思いやがれ!」
N氏は商品開発部の同僚にそう言い放った。
「N氏、お前そんなことを言ってて大丈夫なのか?」
同僚は不満そうにS氏を見やる。
「俺様の企画書が通らなかったことが一度でもあるか?」
「一度も通ってねーだろうが!」
同僚は再び廊下を歩き出して、「じゃあな」と言い残して去っていった。
なんだかんだでN氏は自信家である。
同僚はN氏の自信満々な表情に今日も苛立つのであった。
同じことを言っていても、だれがそれを言うかで印象は確実に変わってきます。
普段からふざけたことを言っていれば、「大言壮語」もギャグとして成立しますが、いつも堅苦しい感じの人だと、ギャグではなくて自信があるのだと誤解されてしまいます。




