転生したらいきなり人質に取られてました
俺は羽田高貴。東京生まれ東京育ちの高校生だ。
男子校でバカばっかりやってたらトラックに轢かれて死んだ。
テンプレートのような死に方で自称神に爆笑されながら日本に近い文化のナッポンという世界に転生させられた。
俺がオギャーと産声を上げると大歓声が上がる。
歓声の内容が待望の男の子だからというのがわかったのは前世で培った日本語話者としての能力のおかげだろう。
しかし、悲しみの涙を流しているものがいた。
それは俺の母だった。
第三子である俺は2歳になった時によその城に預けられた。
いわゆる人質である。
賊が捕らえられたとの報告が入り、俺も勉強のためにその場に連れていかれた。
俺も悪いことをすれば同じ目に遭うぞという脅しも含まれていることには違いないが。
城主は賊に対して質問をするが彼女はヘルプ、エスオーエスしか言わず会話にならない。
乳母が俺に彼女は城主に黙って城に入り込み、物を拾って出ようとしたのを咎められていると説明した。
俺が2歳であるがゆえに理解できないと思っていることは表情で明白だった。
しびれを切らした城主は彼女を死罪に処するとし、彼女の首に窃盗犯であるという札をかけて町中を歩かせた。
賊の烙印を押された彼女は泣いているがもう遅かった。
本来であれば最後の食事を与えられるのが通例だが彼女は謝罪を最後までしなかったことにより異例の最後の食事をさせないというナッポンであればプライドを傷つける罰も課された。
そして彼女は言葉が通じない世界の城の庭で処刑された。
首がごろっと落ちた彼女の身体からは血が吹き出していた。




