第4話 <旅立ち1 side:ルーカス>
いよいよ旅に出ます。
様々な出来事や人との出会い、どんな経験を積んでゆくのか楽しみです。
セリフのカッコの前のアルファベットは誰のセリフかを表しています。
L「○○○」
の場合はルーカスのセリフとなります。
〜☀︎☆☀︎☆☀︎〜
[成人の義]の翌朝、自室のベッドルームでルーカスはアラームで目が覚め、いつも世話してくれる侍従を呼び支度を手伝ってもらい食堂へ向かいながら
L「しばらくお前達ともお別れだな。息災でな。」
と伝える。
侍従は、
「殿下、どうぞ旅路をお気を付けて。無事のお帰りを心よりお待ちしております。」
と答えた。
朝食を済ませて、一緒に食事をしていた家族に旅に出る前 最後の挨拶をする。
L「それでは父上、母上、行って参ります。
アンディ、クラリス、父上母上の言うことをよくきき元気でな。」
自分を慕ってくれる幼い弟と妹。
オリーブ茶髪シナモン眼 ハ歳の弟アンドリューとチョコ茶髪カイヤナイト眼 六歳の妹クラリッサ。
昨日 二人とのお別れの挨拶は済ませていたが、やはり寂しいのか抱きついてきた。
A「兄上、どうかご無事のお帰りをお待ちします。帰ったら旅のお話をたくさん聞かせて下さい。」
寂しいという気持ちを隠しながらもしっかりと答えるアンディに頭を撫でてやり
C「う〜、おにいさま〜。シルビーもいっしょに旅に出るとききました。わたし、さびしい〜。」
涙を流しながら言うクラリッサ
L「クラリスの大好きなシルビーを俺が連れてっちゃってごめんな。無事、旅を終えてシルビーと一緒に帰ってくるからな。」
と、クラリッサの目線に合わせるようにしゃがみクラリッサの涙を指で拭いてやりながら慰める。クラリッサは鼻を啜りながらも「うん」と返事をしてぎこちなく笑顔を見せてくれる。
食堂を出たルーカスは「試練の旅」へと赴くため黒犬のシルビアと正門に向かった。
持ち物は昨夜、父王より授かった不思議鞄のみ。
この不思議鞄は、使っている素材により内容量が変わり、入手困難な材料ほど容量が多い。
ルーカスの持つ鞄はまさに国宝級の内容量無限大。
それだけ入手困難な材料を使って作られた鞄である。
不思議鞄は冒険者ギルドや商人ギルドでも販売されていて内容量として 2立法メートルのものが最小のもので、2、5、10、30、50立法メートルの5段階ある。
時間経過はないので食品などの期日のあるものを入れても安心である。温度調整なども維持。
ただし生き物は除外。
2立法メートルのは金貨2枚だが、
5、10、30、50立法メートルの大きさの不思議鞄は数字の後ろに0を3つ付けた金貨枚数で、途端に高くなる。
(※通貨の価値はまた別の話)
*○*○*
正門に着くと晴れ渡る空の下、
同行者のセニート王国の首都ロドナで王城もあるアドルセシア州の州知事 子息で幼馴染でもあるオンブレブロンド髪 シーブルー眼で真面目なトレバーと、学園時代の同級生で大商人(食料品、日用品、衣料品、武器、防具、その他まで幅広く扱う店)子息でベネチアンブロンド髪 常盤色眼のムードメーカーなフェルナンド(ニックネーム:フェル)が待っていた。
側には王宮近衛大将がいて、旅の移動手段として使う4人乗りのスポーツタイプの青い車が止めてある。
L「おはよ、今日からよろしくな。」
と声をかけ、
T.F「「おはよう」」
と返事があり
F「あれ?ルーカス、その黒犬も一緒に行くの?」
L「あぁ。名前はシルビア。シルビーって呼んでる。親父がシルビーも連れてけって。何か意味があんだろ。運転は取り敢えずトレバーよろしくな。」
F「雌?シルビーちゃんかー、よろしくねー」
T「分かった」
と言いながら、トレバーはさっさと荷物を積み運転席に乗り、ルーカスの隣でお座りしていたシルビアの頭ををルーカスは撫でながらシルビーを紹介し後部座席へ乗る。フェルナンドはシルビアをひと撫でして助手席へ。シルビアは王宮近衛隊将を一見し尻尾を一振りしてからルーカスの隣の席に乗った。
L「んじゃ、父さん達と城のこと頼むな。」
と挨拶し王宮近衛大将と隊員達に見送られながら一緒に旅するトレバーとフェルナンド、シルビアと共にいざ出発である。
車は魔石または精霊石で動く。
内装パネルに目的地を入力してからスイッチひとつでエンジンがかかり車体が浮き上がってあとは自動運転操作。
そして、目的地で駐車をするときは駐車スタイルを選んで駐車しスイッチをオフにするとゆっくりとタイヤを出し地面に着地して駐車完了する仕組みである。
精霊石とは精霊王が作り出した鉱石の一種で、作った精霊王により色や使う用途が違う。世界各地にあるダンジョンで見つかる宝箱から出るが超レアアイテムなので、とても貴重なお宝。
魔石はゴーストなどのアンデットモンスターを倒して魔力の入ってない空の魔石を手に入れ使いたい属性の魔力を注入して使ったり商人ギルドで魔力入り魔石を購入できる。
F「ルーカス、最初の目的地はー?」
L「まずは大陸西のエルサーラ州にある土柱様からだな。その後、南部の水柱、獣人国に行って東部の風柱、海を渡って共和国に入って雷柱、連合国に渡り火柱、光柱、帝国に渡って、闇柱、氷柱、王国に戻り、西側から王都へ戻る。」
F「オーケー」
王宮北門で手続きして通過する。
車はゆっくりと前進し門番と、旅の出発を聞きつけた町人が列をなし
「ルーカス様ー、いってらっしゃいませー」
「旅のご無事をお祈りします」
と、お辞儀をしたり、手を振りながら見送ってくれる。
ルーカス達も「見送り、ありがとう」や「行ってくる」などと声を掛けて王都の都市をスローペースで走り抜ける。
人垣を抜けて一路、王国西側に向けて車のスピードを上げて走る。
王宮はセナプリア湖と呼ばれる大きな湖の東側にあり、王国西側へ行くには王都から湖サイドを少し北上してから西へ向かうか、湖を反時計周り つまり南下してから西へ向かうかになる。ルーカス達は湖を北上するコースを選んで進む。
王国はとにかく広い。
王都から土柱のいる王国西端エルサーラ州まで車で約一週間かかる。
普段は各州知事が王都に集まったり王都から各州への視察は各都市に設置してある魔法陣を使い一瞬で移動する。
一般市民の場合は車 鉄道 船を使用。
今の自分達は目的が[試練の旅]ということで車移動となる。
車内では最近 王国で流行っている音楽を聴きながら旅への意気込みや立ち寄りたい場所などの会話で盛り上がっている。
L「トレバー、冒険者ギルドとのやり取りや宿泊するモーテルとかの諸々の手続きもよろしく」
F「はーい、俺、旅の写真や記録 取ったりしまーす。任せてー」
T「ルーカス、お前は何をするんだ?」
L「俺は………。まぁ、適当に」
T「適当?」
L「モンスター倒したり、食事したり、寝たり、あぁ、各州や各国のお偉いさん達の交渉くらいはするから」
少し呆れた顔しながらトレバーは了承し、フェルは会話しながらも流れる音楽にノリノリである。
F「[成人の儀]のときのルーカス、首相から記念品受け取ってるときや王様に一礼したときの真面目な顔見たとき少し笑えちゃったけど、新成人代表の挨拶してるときは、かっこよかったねー。」
L「お前だって記念品贈呈のとき、緊張してるの丸わかりだったじゃねーか。」
F「うっさいなー。誰だってあんな国の代表者を間近で見たら緊張するっつーの。だいたい俺、誰かさんが声掛けてこなかったら、セレブじゃないから王都内の教会でやるつもりだったのにー。」
L「まぁ、いいじゃねーか、過ぎたことは。うまくやれてたし。親父達もあれでフェルの顔覚えたし。」
T「確かに。うちの父も『一緒に行動すると楽しそうな印象の子だ』と言っていたぞ」
F「はぁー、庶民の繊細な心をもうちょっと分かってほしいよねー」
L「誰が繊細だって?」
F「俺ー」
などと会話も弾み、車は湖を左手側に走り抜ける。
F:ハーイ!俺、フェルナンド。読んでくれてありがとうねー。
T:初めましてトレバーだ。ルーカスとフェルナンドのお目付け役を担っている。
L:俺を置いて何 読者に話し掛けてんだよ。あっ、これからこいつ等と旅するからよろしくな
T.F:よろしく(ねー)




