第13話 <帝国 兄妹の事情と修行部屋の有効活用>
お互いに自己紹介をするお話です。
腕輪が外れ、眠るセレーナの様子を見ながら修行部屋での食事を終えたルーカス達。
L「そう言えば、昨日からいろいろあって互いの事を詳しく話して無かったな。
改めて、俺はルーカス・F・ハワード
セニート王国第一王子で、成人したんで、先日からこいつらと精霊王の八柱に会う為 旅してる。」
T「トレバー・ウォーカーだ。この国の首都ロドナがあるアドルセシア州知事の息子でこいつの旅の共をしている。主にクエストや討伐などの軍事的な役割と車を運転してる。」
F「はーい!俺、フェルナンド・チャップリン。
チャップス商会の息子でルーカスとは学園の同級生。射撃での遠距離攻撃と短剣と機械のことなら任せてー」
L「あっちに居るのは、もう分かると思うけど、精霊王の眷属で聖獣、黒犬のシルビアと、ジョナス!お前も聖獣でいいのかー?」
jo「オレっちをその辺の鳥と一緒にすなやい。オレっちとジェンナは水の精霊王様の立派な秘書さ。」
Sy「ただの連絡係が何を偉そうに」
jo「馬鹿にするなぁ!連絡係じゃない!秘書!それに連絡係だって立派な仕事だ。これだから獣は」
Sy「分かった分かった。そう側で喚くな。お主は相変わらず喧しいのぅ。なぜ今回、ジェンナじゃないのじゃ。」
二匹が言い争いをしてるが無視をし、
L「ま、こんな感じの面子で旅に出たはいいが、食事は基本、外食か出来合いのを買って食ってたから…。料理出来る奴が居ないから助かった。サンキュー。」
と、改めて自己紹介をするルーカス達に、
イヴァンとナディアは顔を見合わせ一つ頷き、
I「改めまして、私はイヴァン・N・ジダノフと申します。昨日はモンスターと闘っている中、助けていただきありがとうございました。
私は元は帝国で兵士をしていました。
今は隣りにいる妹のナディアとセレーナ様のガードをしています。」
N「ナディアです。改めまして、助けて頂きありがとうございました。
私も元は、帝国で魔法師をしていて、今はセレーナ様のガードです。」
I「私達は、もうお分かりですが、
帝国では会うことが非常に難しい、不可能になりつつある精霊王様もしくは眷属様に会い、セレーナ様の腕に嵌っていた[偽りの腕輪]を外す為に旅する計画を立てました。
言い出したのは、映像の中で初めに映った国境で私達とやり取りをしていた男、私達の父と仲間達です。父は帝国の陸軍大将のニコライ・ルスラーノヴィチ・ジダノフです。父は、映像の中で闇に葬られてしまったセレーナ様のお父上と親友でした。
セレーナ様のお父上は元、帝国副首相をしていました。
帝国では、映像で皇后が話てたように五歳で魔力チェックをし、魔力が高いと国に報告をする義務があります。
表向きは皇宮での最高教育を受けさせるため。
その実態は無理矢理言うことを聞かせて強い兵士や魔力が高く質の良い魔法師を育てる為です。
セレーナ様の魔力量は、他者と比べ物にならず、使える魔法属性も全て。
父は元副首相様からセレーナ様の魔力事情を聞き、あの強欲な皇族に取られまいと当時も協力して誤魔化してたそうですが、何処からか情報が漏れてしまいセレーナ様は囚われてしましました。後のことはお分かりの通りです。
セレーナ様が囚われ副首相様方が身罷ったとき、父は皇宮の地下牢に沢山の監視付きで閉じ込めらていました。父は一時期、助けられなかった自分を責め続け自殺まで考えていたと私に言ったことがありましたが地下牢から出て数日経ったある日、腕輪を嵌められ表情も感情も無い中でも必死に魔法や剣技を習い訓練をされているセレーナ様を見てセレーナ様を助けるまでは死ねない。と思い止まり反皇族派を密かに集め始めました。
少しずつ仲間を集めることや皇族への強制の誓いを翻す為の機会を伺っていたので、時間がかかってしまいセレーナ様が腕輪を嵌めてから十二年もの月日が流れてしまいました。
その間 私達は魔力量が基準値より高かった事もあり私は兵士に妹は魔法師になるために訓練をしていました。帝国では十六歳で成人します。成人した私達は兵士と魔法師になり父達と協力をし皇族の目を盗みながら北大陸にいる氷の精霊王様や闇の精霊王様の眷属様を何度も必死に探しましたが国を荒らし民を虐げる帝国皇族の行いを見ているのでしょう。会う事は叶いませんでした。
そんなある時のことです。
冬が長引き作物は育たず幾つかの穀物蔵の備蓄が駄目になってしまい食糧輸入を各国にお願いし、その際にセニート王国の王弟様が帝国へきました。
謁見の間には父も同席していて、食料輸入のやり取りと王弟様の話を聞きました。
あ!大変です!王弟様は…」
L「知ってる。対策も取ってる。」
I「そう、ですか。良かったです。あ、良くないですね。で、ですね…
王国王弟様が帰国された後に、王弟様の言を利用し帝国は王国へ戦争を仕掛けようと皇帝と皇太子、映像で何度も出てきてセレーナ様に命令していた濃紫髪で朱色目の男が話出し準備しています。
その時に父は、[王国の王宮には眷属様が滞在されている。]と元副首相様から聞いたことがあると、ずっと忘れていた記憶を思い出し、セレーナ様を連れ出すのは今しかない。と計画を立てて王国までお連れしました。
父は時間を稼ぐ為に帝都から大回りするしかない山を挟んだ裏側の街にある訓練所で私達が訓練中ということで連れ出し北回りで帝都へ戻り、その後 仲間と共に戦争を阻止しようと動く予定でいます。
帝国の国境 検問から無法地帯を通って、王国入りしてからもずっと徒歩行動なので、王都まで時間が掛かるのは承知していましたが、まさか王国西側で皆さんと出会えるとは。
セレーナ様の腕輪を外して頂いて、本当にありがとうございました。」
N「ありがとうございました」
一通りの話を聞いて腕時計を確認すると正午を回っていた。
L「入口にあったカウントパネルが無くなったから正確には分からんが、昨日この部屋に入ったのが夜八時過ぎ。今は正午過ぎ。入口が開くのがあと八時間ほどか。」
ルーカスは部屋の奥で眠り続けるセレーナとセレーナの側にいるシルビアを見る。
セレーナは皆んなが食事をする間も話を聞いている時も、寝たり魘されたりを繰り返している。
セレーナの様子を見ながらも此方の話を聞いていただろうシルビアが
Sy「して、帝国の兄妹よ。
此奴の腕輪はこうして外れたがこの後はどうする気じゃ?」
I「私達の旅の目的はセレーナ様の腕輪を外してもらう事。王国に、帝国と王国の王弟様側とは別の組織にセレーナ様を保護してもらう事です。
皆様のおかげで一つ目は達成致しました。
王子であるルーカス様達の旅の邪魔をこれ以上する訳には参りません。
王都に向かい何とか王様とお会い出来ればと思っていますが…」
Sy「なるほどの。まぁ結論を急がぬとも良いわ。暫し待て。」
と言い、黙り込むシルビア
L「シルビー?」
Sy「黙っておれ。リカルドと念話する故。お主達は暇じゃろう?せっかくこの部屋に居るんじゃ。寝ている女子と周りには結界を張っておく故、修行でもしとけ。」
L「分かった」
N「あ、では私はセレーナ様の傍に」
I「私もそうします。」
と移動しナディアはセレーナがかいた汗を拭い世話をし出した。
イヴァンは側に居ながらも自分の武器の手入れをする。
ルーカス達は、
T「ルーカス、修行の前に先程のツノ兎やワイルドボアのように鞄の中に入っているモンスター解体しといた方が楽なんじゃないか?ギルドへは解体した物を出せば鑑定師がいるし討伐記録は腕時計の画像記録で分かるだろうし。」
L「あぁ、そうだな。やっとくか。」
F「あっ、肉以外の商品や素材になりそうな物をうちの商会に持って行くと何かおまけしてくれるってうちの親父が言ってた」
L「おっ、親父さん太っ腹だな。宜しく伝えてくれ」
F「あいよー、今後ともチャップス商会をご贔屓にー」
と話しをしながら鞄から次々と討伐したモンスターを出しては解体して行く。
その後、ルーカスvsトレバー、ルーカスvsフェルナンド、トレバーvsフェルナンドと組み合わせを替えての一対一の対決やニ対一の連携プレイの修行に明け暮れる。
剣と剣のぶつかり合う音や銃声 魔法も飛び交う中セレーナの居る結界の中は静かなものだった。
スティールは念話中。
ジョナスはイヴァンとナディアが来たから暇になったのかセレーナの頭の側で丸くなって眠っている。
兄妹はセレーナの様子を見ながらシルビアの念話とジョナスの睡眠を邪魔しない様に小声で話をして過ごすのだった。
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