第12話 <結界の中の会話と魔法嵐1>
セレーナが乱心する話です。
苦手な方はご注意 下さい。
セレーナに嵌められていた[偽りの腕輪]が映し出す映像を見終わり記憶を取り戻したセレーナは暴れ出した後、突然 体を起こして立ち上がり笑い出した。
S「あっははっ!あははは!あっはははははーー!!
Sy「!!!!
いかん!女子の中の膨大な魔力が暴走をし始めている!全員、女子から離れて妾の後ろへ下がれ!強烈な魔法が打たれるぞ!!」
シルビアの言葉を聞いていたが、
イヴァンとナディアはセレーナから離れようとしなかった。
Sy「早よう、移動するのじゃ!下手したらお主等、死ぬぞ!!
女子には悪いようにはせぬ故、早よう!!」
シルビアの焦ったような叫びに全員が急いで後ろへ下がる。
シルビアは、セレーナ以外の全員とセレーナ一人を結界で包む。
セレーナは処構わず魔法を撃ち出し始めた。
S「そうだ!私は可愛い!私はマリオネット!悪いモンスターを、全てを燃やせ!全てを凍てつくせ!全部!全部!闇に覆わせてしまえーーー!!
はははっ!あっはははははーーー!」
結界の外は、炎、氷、闇、他にも様々な魔法が放たれまくる。
魔法は結界に弾かれ、結界内に入ってはこないが、結界の外側は、放たれた魔法の影響で、
部屋中に炎玉が飛び煙に包まれたり、
部屋全体が凍り、霜や氷柱が出来たり、
拳大の礫が飛びまくったり、
雷雨が降りまくったり、
激しい強風で竜巻が起こったり、
室内にあったベンチを闇で覆い尽くしたり。
セレーナは繰り返し笑い、繰り返し叫び、繰り返し魔法を放つ。
S「ははははっ!
この雨で流れてしまえ!
礫を受けるがいいー!!
雷で感電してしまえ!
闇の中で死ぬまで苦しみ嘆くがいいー!!!
あははっ!あっはははははーーー!!」
狂ったように笑うセレーナの魔法攻撃はまだ終わらない。
強烈に光ったあと腕輪はいつの間にかセレーナの腕から外れており、真実の過去を知ったセレーナは魔力暴走を起こした。
狂ったように笑うセレーナの魔法攻撃が続く。結界の外は様々な魔法が飛び交いまくりすごい靄状態で数十分が経過。結界の中では、
F「いつまで続くんだろうね。これだけ魔法を放ってんのに魔力が尽きないのってすごいよねー。」
T「使える魔法の種類も半端ないな。」
L「シルビー、彼女にも結界張ってたよな?これだけ魔法が飛び交ってて、彼女も部屋の状態も大丈夫なのか?」
Su「女子と部屋の中は大丈夫じゃろう。
魔法を使っての模擬戦しても大丈夫なよう考えられた部屋じゃし。
ただ……出入口ドアにも一応 結界は張ったのじゃが、滞在時間残数をカウントする時計パネルとベンチには張って無い故、無くなってるかもじゃな。」
jo「しっかし若いのに、中々に酷な人生歩んでる姉ちゃんだな。オレっち、ちょっと泣けちったとこあるぜ。」
I「すみません。全て我々 帝国民の責任です。」
N「あの……この後、セレーナ様はどうなってしまうのでしょうか?」
Sy「女子には、自身に攻撃や魔法、自殺出来ぬよう結界は張ったから、今は体力が尽きて倒れるか、魔力が尽きて気絶するのを待つより他ないな。その後のことは正直、妾にも分からぬ。
事実を受け入れられず自殺する者も居る。
記憶が混乱したまま狂ったように生きる者も居る。
真実を知って、それでも全てを受け止めこの先の人生を歩む者も居る。
後は……… 腕輪を嵌められる前の状態に戻る者も居たな。
兎に角、今は待つしかあるまい。
腕輪をする前の記憶。
腕輪をしてる間の偽りの記憶。
腕輪を外して真実を知ったの記憶。
腕輪をしている間、表情や感情が無く、まさにマリオネットのように過ごしていた者が、表情や感情と記憶を取り戻すのじゃ。
頭の中も、心も、体も、まさにぼろぼろのぐちゃぐちゃ状態じゃろう。
長い時間、腕輪を嵌められてたのじゃ。
いろいろと整理するのには時間が必要じゃろ。
妾達が出来るのは、あの女子が正気を取り戻し、この先の人生を[生きる]と選ぶのを信じて待つだけじゃ。」
N「そう……ですね。
セレーナ様を信じて待ちます。」
I「私も……信じます。
セレーナ様ならきっと正気に戻ると。この先も生きることを選ぶと!」
L「だな。」
T「まさしく」
F「俺も、そう思う!」
jo「オレっちもー」
一通り会話をした後、
L「そう言えば、君達と彼女の関係は?」
I「あっ…。説明が遅れました。すみません。」
L「いや、大丈夫だ。俺らと歳もあんま変わらなさそうだし敬語も止めてくれて構わない」
I「分かりました。あっ…、分かった。俺たちはセレーナ様の…」
ドサッ!!
イヴァンが自分達の事情説明をしようとしたところで大きな音が聞こえた。
魔法が飛び交う魔法嵐も収まったようだ。
凄まじい魔法嵐の後で結界の外側はまだ、煙や靄が充満し、砂埃も舞い、床はあちこち凍ってたり水浸しだっりで状態が悪い。
シルビアは結界を解き、
Sy「お主等は視界が開けてからくるが良い!」と叫び、セレーナの元へ走っていく。
しばらくして、ようやく視界が晴れ全員でセレーナの元へ。
L「シルビー!彼女は!?」
Sy「活力切れじゃ。魔力も体力も枯渇して気絶しておる。なぁに、息はある。今はゆっくり寝かせて、起きるのを待とうぞ」
N「良かった。セレーナ様」
Sy「あっちの奥の方が比較的床が綺麗なはずじゃ、毛布を敷いて寝かせてやるが良い。」
と言い、ドアの場所から左側の壁で途中まで仕切られている別スペースを指す
F「あっ、さっき使って無かった毛布は、ベンチに置いてきちゃた。」
ベンチのあった場所を見たら、闇魔法を喰らい跡形も無く無くなったものや氷と風の魔法を喰らったのだろう。ベンチらしき物がバラバラな状態で尚且つ氷漬けになっている。当然 毛布だったらしき物もバラバラな氷漬け
Sy「はぁ、抜けておるのぅ。」
N「あの、準備 出来ましたのでセレーナ様をあちらにお連れしますね」
Sy「…………帝国民のがしっかりしてるの」
シルビアは呆れたように言い、フェルは苦笑いして、セレーナの元へと移動する。
室内の奥で毛布の上に寝かされ、イヴァンの上着だろう服を掛けて眠っているセレーナ。
目蓋を閉じ長い睫毛は少し上向きにカールしていて、鼻筋が高く、肌は活力枯渇の影響で青白く唇も青紫色になっているが、非常に整った顔立ちをしている。
Sy「女子、お主、名前は何じゃったかの?」
N「わたし?わたしはナディアと申します。」
Sy「そうじゃったな。ナディアは寝ている女子に着いててやれ。ジョナスは女子の様子見じゃ。何か変化があったら知らせよ。」
jo「良しきた」
ジョナスの返事を聞きシルビアは男性陣の方を見て、
Sy「お主等は部屋の片付けじゃ。妾が水分を蒸発させる故、残った瓦礫など集めて一旦 隅の方へ。ルーカスはそれを鞄へ。後々 地中へ埋めれば良い。」
皆が頷き、
Sy「散!」
の一声でバラバラの方向へ散っていく。
*○*○*
数時間が経ち瓦礫も片付きつつあり、細かい砂などを風魔法を使い瓦礫を集めた箇所の方へ集める。
ルーカスはせっせと鞄にそれしをしまう。
最後に
L「クリーン!」
と魔法をかけて部屋全体を綺麗に掃除する。
室内にあったベンチや時計パネル、持ち込んだ毛布は無くなったもののドアは無事で室内も綺麗な状態に戻った。
T「ようやく片付いたな」
F「疲れたー」
L「あー、今 何時だ?」
ルーカスは腕時計を確認し、日付けが変わった真夜中だと知る。
L「三時過ぎか。」
Sy「女子の様子は妾とジョナスが見ておる故、今のうちに皆で寝ておくと良い。」
jo「おぅ!オレっち達に任せとけ!
そっちの兄ちゃんと姉ちゃんも一緒に寝ろよ」
I「セレーナ様が、いつ目覚めるか分からず、目覚めた時に私達が側に居なくてはいけないので寝る訳にはまいりません」
N「私達は、大丈夫です。皆様だけでもお休みを…」
Sy「妾とジョナスなら数日 寝なくても何も支障はきたさん。お主達、もうずっとよく眠れておらぬのじゃろう?顔に疲れが出て、活力の流れも悪うなっておる。悪いようにはせん。女子のことは妾達に任せて寝ておけ。倒れるぞ。」
I「すみません。聖獣様。では、少しだけ休ませて頂きます。セレーナ様をお願いします。」
N「お願いします。」
と兄妹は頭を下げる。
L「悪りぃな。毛布 燃えちまったから掛けるものが無いんだが大丈夫か?」
F「俺のミスです。ごめん」
I「大丈夫です。ありがとうございます。」
N「ありがとうございます」
L「んじゃ、おやすみな。」
T「おやすみ」
F「おやすみー」
I.N「「おやすみなさい」」
などの会話がなされ、セレーナが寝ている室内入口から左側の壁に仕切られた休憩スペースから少しずれた場所に鞄から毛布と防寒着を出して兄妹は就寝しだす。
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