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ステルラ  作者: 智織
20/24

第11話 <セレーナの記憶>

重い内容となっています。

グロテスクな部分も有りますので、苦手な方はご注意 下さい。

モンスターと苦戦していた3人組に声を掛けて[訳あり]と察したシルビアの言葉に、事情確認と[偽りの腕輪]解除の為 同行させ、ツリーハウスの中にある修行部屋へと入った一行。

シルビアが念じ薄黄色の靄と光が腕輪に吸い込まれ再び靄がかかり映像が映し出された。


帝国と王国の国境でのやり取りの映像から別の映像に切り替わる。


▲▽▲▽▲


何処かの部屋で、濃紫髪、朱眼の男がセレーナに話しかけている。


男「喜べ。久しぶりのでかい仕事だぞ。王国の野郎共をお前の力で吹き飛ばすのだ。」

S「仕事、吹き飛ばす」

セレーナは表情の無い顔で(つぶや)

男「そうだ。仕事だ。お前の魔法で悪い王国民共を罰して地獄を見せてやるんだ。考えただけで笑いが止まらん。あっははは、はっはっはははははーーー!!」

S「悪い王国民、罰する」

やはり表情なく呟くセレーナ


▲▽▲▽▲


映像かわり何処かの村のようだ。


一箇所に集められて怯える人々がいる。

皆 痩せ細っていて頬が痩けている。

人々の前には食料らしき物が置いてあり、

村の代表者らしき人物が

「お願いします。村に残る最後の食料です。これらを取り上げられたらワシ等はもう餓死するしか無くなります。どうかご容赦ください。」

涙ながらに必死に訴える代表者に対し側にいた兵士達が

「黙れ黙れ!後ろへ下がれー」

と命令しながら持っている武器で突き飛ばす。


様子を見ていた先程の濃紫髪、朱眼の男がセレーナに向かって

男「おい、出番だぞ。我等の食料を奪う悪いモンスターを焼き払え」

S「悪いモンスター、焼き払う」

と呟き無表情な顔で魔法を発動させるセレーナ。

セレーナが発した炎魔法は村人を囲い焼き尽くす。

生きたまま炎に囲まれて体中を燃やされながら、絶叫と怨みの言葉を叫ぶ村人たち。中には子供もいる。

「あー!ああー!!あああー!!!」

「あつい!あついよー!たすけてーー!!」

「どうして我々がこんなめに!!!」

「人殺しーー!!!」

「あぁ、悪魔!悪魔よ!あの女ーー!!」

焼け爛れ黒炭み、やがて燃え尽きた村人たち。残ったのは黒く焼け焦げた血の海と村人が身につけてただろう金属のかけらと脆く焼け残った骨だけ。

酷い悪臭が辺りを充満させているのだろう。

鼻を押さえて歪んだ顔をしている兵士達。

男「モンスターが寄ってくる前に引き上げるぞ」と言う朱眼の男。


▲▽▲▽▲


映像が変わり何処かの狭い部屋で、一人の男が貼り付けにされている。


セレーナと朱眼の男もいて、先程の村の映像より二人とも少し若い姿だ。


「どうかお許しください!私は貴方様を裏切るようなことは何もしておりません!」

涙と鼻水で顔を濡らしながら許しを請う男。

「おい、往生際の悪いモンスターを足から少しずつ凍らせろ」

と、朱眼の男はセレーナに言う。

セレーナは従い

S「悪いモンスター、凍らす」

と無表情で言い、氷魔法を発して、足元から少しずつ貼り付けの男を凍らせる。

男は泣け叫び、体中の色々なところから水分を出し、それさえも凍りつく。

「やっ、止め………、止めろーー!本当に俺は何もしていない!だから助けてくれ!!」

それでも凍り漬けになっていく男。もう(へそ)の上辺りまで凍り漬けだ。

「この、糞悪魔め!!!」

と、怨みの篭った顔して叫び、やがて頭までの全てが凍り漬けになる。

朱眼の男は

「仕上げだ。光魔法を放ち氷を粉々に割れ」

S「光魔法、氷 粉々」

と呟き無表情で光魔法を発動。

無数の光の槍が凍った男に向かい男だったものは粉々に割れ散り、辺りは冷気が漂う。


▲▽▲▽▲


映像が変わり

それ程 広くはない閑散とした部屋。


部屋の奥には簡素なベッドとクローゼット。

小さな窓があり格子が嵌っている。そして、

この部屋には似つかわしくないやたらと豪華なソファと机。

朱眼の男とセレーナはソファに並んで座っている。

男はニヤニヤしながら

「今日も良く働いた。お前は可愛い奴だ」

と言いながらセレーナの頭を撫でる。

S「わたし、かわいい」

セレーナは表情なく呟く

男は更に顔を歪めてニタニタしながら

「ああ、お前は本当に可愛い俺のマリオネットだ」

この映像と同じ様な映像が先程から何回か流れてくる。

セレーナが男の命令で魔法を使った日の度に、この部屋で同じやり取りをしているらしい。


▲▽▲▽▲


映像が変わり

更に若く幼い姿をしたセレーナが、

屋外にある無数の的に向かい様々な魔法を撃ちまくっている。


炎、氷、雷、水、風、土、闇、光。

側には魔法師と剣士らしき大人が複数人おり、セレーナに次々と八属性魔法名を言い、息を切らし汗をかきながらも、無表情で魔法を使い分け的に当てていく。

全ての的に魔法を撃ち終えた後、膝に手を当て肩で息をするセレーナに、今度は木剣を持たせる。

休む間も与えず、

剣士との激しい撃ち合いが行われ、セレーナはとうとう立って居られず倒れて気絶した。


▲▽▲▽▲


映像が変わり

映し出されたのは玉座の間のようだ。


沢山の官僚らしい大人と十数人の兵士達。

そして、濃紫髪、朱眼をした子供と幼児姿で可愛らしい水色のドレスを着たセレーナの姿が映っている。

セレーナの腕には[偽りの腕輪]が嵌められ、とても可愛い顔をしているが無表情だ。


セレーナから数メートル離れた場所に二人の男女が縄で縛られ兵士達に槍を向けられている。

縛られた男は、ブルネットの髪ハニーブラウンの眼をしていて、

縛られた女は、艶のあるボルドーの髪ヘーゼル色の眼だ。


セレーナのやや後ろには、至るところに宝石を散りばめた非常に豪華な服装を装い、指にも複数個の指輪が光り玉座に座った、

濃紫髪濃灰眼をした帝国の皇帝らしき男だ。

皇帝らしき男は伸ばした顎髭を(もてあそ)び、ニヤニヤした顔つきで縛られた男女を見ている。


皇帝らしき男の隣で、濃蒼髪、朱眼を持つやはり豪華な服装をして複数の豪華なアクセサリーを身に付けて、眉間に深い皺を寄せ唇を震わせた女性が、

「この帝国では、子供が五歳になると魔力を量ったのち、魔力の高い子供は国に報告をするのが義務!貴方達も知っているでしょう!イグナチェフ副首相!! この娘の高い魔力を隠すから、罰せられるのです!覚悟なさい!!」

と、手にしている扇子で男女を差しながら睨んでいる。

他の官僚だろう大人達は少し離れた場所で、縛られた男女を指差して、ひそひそと何か話している。


皇帝らしき男は、そのニヤけた顔で、濃紫髪、朱眼の子供に

「タラースよ、その餓鬼に初めての命令をせよ。この者共を闇魔法で覆い尽くせと。」

「かしこまりました。父上。」

と答え頭を下げる朱眼の子供。

セレーナに近づき

「おい、めいれいだ。そこのナワでしばられた大人はわるい大人だ!やっつけろ!やみのまほうでわるいモンスターをおおいつくせ!」

セレーナは無表情で

「わるい、おとな。モンスター。やみまほう。」

と言い、闇魔法を発動させる。

闇魔法は縛られた男女に向かい、真っ黒な闇で包まれ始める。

「セレーナ!いつか腕輪を外し、どうか自分を責めずに前を向いて幸せになってくれ!生きろ!!」

「セレーナ、大人になるまで育ててあげられずにごめんね。愛してるわ!」

闇で覆い尽くされた男女の姿はやがて消え跡形も無くなる。

無表情な顔付きで、闇を見ていたセレーナの頭を撫でる朱眼の子供は

「よくやった。オレのかわいいマリオネット」

とほめる。


◆◇◆◇◆


映像を出していた靄が消えて[偽りの腕輪]から強烈な光が出る。光は腕輪を中心に部屋中を眩しく覆う。

光が収まってきた頃、

全ての記憶を取り戻したセレーナが絶叫し頭を抱えながらのたうち回る


S「あああ……、ああーーーーー!!!!」

頭を抱え叫びながら毛布に倒れて体を震わす。

S「あぁー!ああああーーーー!!!

私、わたしが殺した!村人も!兵士も!両親さえも!!全部、全部わたしが!殺したぁーーー!!ああっ!!あぁっ!あああーーー!!」

記憶が甦ったセレーナは、

泣け叫び、自らの行いに驚愕し、足をバタバタとさせ、身体を激しく伸縮させ暴れまくる。

側にいるイヴァンとナディアは、落ち着かせるためにセレーナを宥めようするが上手くいかない。

やがて、(むご)すぎる記憶がセレーナから正気を奪い、セレーナは笑い出す。

















お読み頂きありがとうございます。


セレーナの過去が明らかとなりました。

今後、彼女はどうなってしまうのでしょうか?


次回も頑張って書きたいと思います。


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